実はヤンチャな932SH
N あとはちょっと細かい機能ですが、ゲームも「リアル3Dゲーム」を搭載して、進化を遂げています。「Open GL ES」に対応したことで、3Dゲームも十分楽しめます。実際に、932SHに最初から入っている「Mobille 真・三国無双」とか「METAL GEAR SOLID MOBILE」なんかやってみると、プレイステーションぐらいのクオリティはありそうですね。両方とも体験版なんですが、体験版クリアまでには30分程度でした。その後、本編を買ってやりたい人も多そうです。
ヤ 最近の子供たちって、少なからずこんなすごいケータイを手にする機会があるわけですよね。それでよく遊びとか勉強とかがおろそかにならないなって感心しますよ(笑)。仮に僕が学生だった頃にこんな万能端末があって、通信料もさほど高くもないとしたら、きっと今頃「ケータイ廃人」になったでしょう。ま、今もそれに近いけど(苦笑)。
N では、そろそろまとめに入りたいんですが、今回の端末は既存のAQUOSケータイユーザーを引き留めたいというメーカーの強い主張が感じられます。
ヤ その狙いは外れてないっす。この完成度の高さなら「AQUOSケータイを使い続けたい」と思うユーザーも多いんじゃないでしょうか。
N ただ、僕自身ちょっとデザインとカラバリが気になります。912SHは6色あってそれぞれ結構ポップな感じでよかったんですが、ちょっと932SHは落ち着いてますね。
ヤ 確かにちょっと優等生になり過ぎかなぁ。そういう意味では、ドコモのSMARTシリーズに共通するオトナな雰囲気が強く出すぎているのかも。「歩数計」機能を搭載しているあたり、やはり30代以上の年齢層を意識して作られているようで、デザインもカラーも、落ち着いた雰囲気にまとまっているけど、まぁそれは仕方ないでしょう。ただ、ずっと手に持っていると画面部が重たく感じられる重量バランスが、中高年としてはちょっと気になる。
N ここまで来たAQUOSケータイは次はどこに行くんでしょうね。
ヤ AV機器や家電のトレンドがケータイに数年遅れで入ってくることを考えると、次は「亀山ブランド」を打ち出すなんておもしろいんじゃないですか(笑)。それは冗談だとしても、例えば、FeliCaと互換性のあるNFC(Near field communication)チップが搭載されて、ヨーロッパなどの海外でも国内と同じようにおサイフケータイが使えるようになる、といったことになるのはありえない話でもありません。
メーカーとしても、auの日立Woooケータイのような3D技術は気になっているでしょうし。あと、細かいところですが、今回ヴァーチャル5.1ch対応スピーカー搭載で音は大分よくなったので、液晶面をもっと飛躍的に進化させるという方向になってもおかしくないでしょう。「液晶のシャープ」としては、有機ELを積むというわけにはいかないでしょうけど。もっともっと存在感をアピールしてほしいですね。
932SHをあえてクルマに例えるなら「外観はトヨタのセダンなんだけど、中身は誰でも乗りこなせるスーパーカー」てなイメージ。「オトナの皮をかぶったヤンチャなケータイ」が好きな人にはイチオシ。
とにかく、ケータイの買い換えを検討している人は、超全部入りの端末がどんなものなのか、一度見て、実際に触ってみることをオススメします。この端末を1つの基準にして、そこから自分にとって不要な機能を削っていけば、自分にあったケータイがおのずと見えてくるはずです。