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本物志向のミニノート

WILLCOM D4 Ver.Lを使い倒す(体験レポート編)

2008年12月25日 10時00分更新

文● 松下典子、遠藤諭

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本物志向のミニノートWILLCOM D4。本物のユーザーはどう使いこなしているのか? ここでは体験レポート形式で、WILLCOM D4の使いこなしテクを紹介する。

ブログ、テレビ、ときどき仕事 手のひらのビスタマシンで
畑も公園もオフィスになる

【松下典子】フリーライター。生活の中心は、犬とガーデニング。本業はそこそこに、犬と野菜の世話に明け暮れる。犬の生活や野菜の様子をブログに更新するのが日課で、D4の使い道も、写真撮影と記事の投稿がメイン。

今回使用した機器:ウィルコム D4 Ver.L


光るタッチパッドを片手で操りウェブ閲覧


 趣味のガーデニングが高じて、信州に畑を借りた。休日は、畑仕事に勤しむスローな日々を送っている。と言いたいところだが、ライター稼業は24時間年中無休。原稿の修正など緊急の連絡が入れば、すぐに仕事場へ戻らなければならないのだ。畑に持って行けて、その場で原稿も書けちゃうような、小型のモバイルが欲しい。『WILLCOM D4』は、そんな私にぴったりのマシンだ。一般的なUMPCよりも小さく、ちょうどセレブな奥様が持っている長財布と同じくらいの大きさ。付属のソフトケースに入れると、見た目は完全にお財布だ。

【ワイド画面で快適ウェブ】WSVGA対応のワイド画面でウェブサイトが見やすい。道に迷っても、PHS通信で地図検索ができる。

 小さくても中身は、立派なビスタマシン。スライド式のQWERTYキーボードが付いており、画面を立てたDeskスタイルにすると、可愛いミニサイズのノートPCになる。何よりの魅力は、W-SIMでPHS通信ができること。原稿や校正データのやり取りには、ネットが使えないと仕事にならないからだ。無線LANも内蔵しているので、自宅のネットワークにも接続できる。まずは、自宅の無線LANアクセスポイントにD4のMACアドレスを登録して、出先で必要になりそうなファイルをメインマシンから転送。これで、出発の準備は万端だ。

 さて、畑へ到着。信州の山奥だけにPHS通信がつながるかどうか心配だったが、アンテナ3本でバッチリ! これならネットもメールも問題なく使える。

 ただ、土いじりをした手で液晶画面を触るわけにはいかない。細くて小さいスタイラスペンは、畑に落とすと見つからなくなりそうだ。そこで、液晶の右側にある光るタッチパッドで操作することにした。これが、使いやすい! タッチパッドなら右側の親指1本で、スクロールやマウスの移動、クリックができる。つまり、片手で持って使えるってこと。野菜についた虫の種類や病気をネットで調べつつ、空いている左手では、草むしりや虫とりを続けられる。

【内蔵カメラで写真撮影】シャッターボタンでカメラが起動。人物/風景/パーティー/夜景などのシーンに合わせた撮影が可能。

 液晶画面の裏には内蔵カメラがあり、ケータイのカメラのように、本体後面のシャッターボタンを押すと、カメラのアプリケーションが起動する仕組み。さっそく野菜の生長を撮影して、即ブログにアップ。疲れたら、ワンセグチューナーでテレビを見ながら一休み。一日中のんびりと畑で過ごし、いつでも仕事ができるという安心感もあってか、心からリフレッシュできた。

 東京に戻ってからは、犬の散歩やサイクリングにも常に携帯し、犬や風景の撮影やブログ更新に活用している。気が向いたときには、その場で原稿を書いたりするので、あちこち出歩いているわりには、仕事もはかどっている。家にいる時間がどんどん減りつつある今日この頃だ。



自分にピッタリなマシンを見極めよ!
ウィルコム D4は、変幻自在に使える最強スモコン


【遠藤諭】アスキー総合研究所 所長。スモコン=ノートPC以下の小型マシンは推定20台ほど使い倒してきた筋金入りのモバイラー。東京麹町のインド料理店アジャンタや神田神保町のパンチマハルなどでモバイルしている。

今回使用した機器:●ウィルコム D4 ver.L●リュウド RBK-2100BTJ●サンワサプライ Laser Mouse MA-BTL56BK●プラントロニクス Discovery 925



モバイルの三大要素
軽・小・すぐ使える


 モバイルPCというのは、要するに食べ物でいえば“お弁当”である。ケータイというのは、片手で使えるからさしずめ“おにぎり”といったところだ。これの中間にシャープに斬り込んだ製品がウィルコムの次世代モバイルこと『D4』である。

 “お弁当”と“おにぎり”の中間とは? インテルの最新省電力プロセッサーとウィンドウズ ビスタを搭載しているPCなのに、ワンセグやカメラを内蔵、発信向きの設計だが音声通話だってできる。そして、コートのポケットならスッポリ入って、いつでもパッと取り出せるコンパクトさである。

【リラックスしてPSP風に】手に持てば、携帯ゲーム機感覚で使える。液晶をスライドすれば、寝転がりメールマシンに変身。

 私見だが「500グラムの法則」というものがある。1キロのマシンは絶対にカバンの中で存在を主張するが、500グラム前後のマシンは持っていることを忘れることがある。D4は、大容量バッテリを装着しても、約575グラムという軽さだ。

 そんなわけで、D4は、ポケットから取り出して液晶を閉じたまま『PSP』みたいなポジションでも使える。液晶右側のスペースが、トラックパッドになっている使い勝手は、過去この種のマシンの中でもサイコー。たったこれだけのことが、このマシンを相当に快適なモノに仕上げている。



小さいけれど本物のPC そのラクチンさを知れ!


 駅などで立ったままでも使えるのがD4の魅力というわけだが、実は、私のお薦めはキーボードをつなぐ使い方だ。などというと「D4には内蔵キーボードがあるでしょう」と指摘されそうだが、レストランなどで座って長文まで書けるからだ。

【モバイルでキーボード活用】ブルートゥース・キーボードを使っているの図。マウスやヘッドセットもブルートゥースで利用可能。

 いろいろと試してみたが、リュウドの『RBK-2100BT』がベストマッチ。ブルートゥース接続なのでケーブル不要だし2つに折りたためば、持ち歩いてジャマにならない。それでいて、ちゃんとしたフルキーボードなので、D4を“お弁当”のほうに限りなく近づけてくれる。

 実は、この種の小さいマシンでは“お弁当”(モバイルPC)に、どこまで近いかが非常に重要なのだ。高機能ケータイやスマートフォンが注目されているが、結局のところPCそのものではない。自宅や会社のマシンで活用している使い慣れたソフトがない非効率性やもどかしさによるストレスが、“おにぎり”(ケータイ)の限界だ。

 ウィルコム D4は、専用ドックにのせて、液晶ディスプレーにつないで、マウスも使えば、ふつうのデスクトップPCのようにも使える。まさに、変幻自在の最強モバイルといってもよい。あなたのまだ出会っていないベストパートナーは、このマシンかもしれない。

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