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ThinkPadファンが見たLenovoのNetbook IdeaPad S10e

2008年12月22日 14時04分更新

文● 池田圭一

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時間がないシーンで活用したいQuick Start機能

Quick Startのメニュー画面

Lenovo Quick Startのメニュー画面

Quick Startのコンフィグレーションパネル

Quick Startのコンフィグレーションパネル

 IdeaPad S10e注目の機能として、「Lenovo Quick Start」というものがある。Linuxベースの高速起動シェル(Device VM開発のSplashtop)があり、Windowsを起動せずにウェブブラウザーや音楽再生、写真表示、チャットにSkypeといったソフトを使える機能だ。メニューが表示されるまで7~8秒、長くても10秒程度で操作できるようになる。機能制限はあるものの、急いでウェブメールや撮影写真を確認するといった用途で役立ちそうだ。また、簡単な電源管理、無線LAN/有線LANのネットワーク接続、USBドライブやHDDへのファイルアクセス機能も有している。

Quick Startでのウェブブラウズと、音楽再生/写真表示。マルチウィンドウで動作する

 ただし残念なことに、Quick Startにはテキストエディターや録音機能はない。USB接続ドライブやSDカードなどの写真を表示する機能はあるが、それらのデータを内蔵HDDに転送することもできず、ウェブブラウザーでお気に入りの保存もできない。音楽再生機能ではmp3タグが文字化けを起こすなど、ローカライズが完全ではない。低コストゆえの限界でもあろう。


ソフトウェア面での対応に期待

 IdeaPad S10e全体を見渡すと、特にソフト面で低コスト化の弊害が出ているようだ。たとえば、Windows上で動く電源管理ソフトが英語版のままであったり、Windows XPの画面表示色が初期状態で16bitになっていて、Intelのディスプレードライバーユーティリティーを使わないと32bitカラーにできなかったりと、不慣れなユーザーが戸惑う要素が残っている。液晶ディスプレーの解像度も、縦方向を576ドットにした理由が見えてこない。

電源管理機能が英語版のままで分かりにくい

電源管理機能が英語版のままで分かりにくい

 Netbookの位置づけとして「セカンドマシンでの導入」を想定しており、1台目のパソコンとして求めるものではないのかも知れないが、国内のコンシューマー市場への返り咲きを狙っているのであれば、親切さが足りないといえる。しかし、ハードウェアの完成度は非常に高い。ノートパソコンについてある程度の知識があれば使いこなすのに、それほど時間を要しないはずだ。

 コンシューマー向け製品のIdeaPad S10eだが、ビジネス利用も十分に考えられる。ユーザー側でのセキュリティー対策が前提となるが、160GBのHDDなら業務用アプリケーションの導入や、プレゼン資料などの大容量データの保存も可能である。

 今後もし、さらに使いやすさを向上した「ThinkPadブランドのNetbook」が登場するにしても、5万円以内で手に入ることはありえないだろう。例えば、モバイル志向のThinkPad Xシリーズは、まれにキャンペーンなどで10万円前後で売られることがあるものの、基本スペックをIdeaPad S10e並に揃えると15万円前後(ThinkPad X200sの場合)。同じ予算でIdeaPad S10eなら3台買えるのだ。このご時世の強い味方だと思うのだが、いかがだろうか?

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