誘惑の多い世界で試される
あなた自身の心の形
オルゴールの資金を集めるために、主人公達は街の人の手伝いをすることになる。その手伝いの種類はさまざまで、「なくした逮捕礼状探し」から、「倉庫に潜入した害虫駆除」、そして「画像記録装置のモデル」などなど。しかし、中にはお金にならないような手伝いもある。困っている人を助ける「善意」の気持ちからの手伝いも求められるのだ。
ただし、プレイヤーの善行を邪魔する「悪意」のある持ちかけをされる場合がある。「夢を叶えるために、目前にあるお金を取るべきか」、それとも「夢よりも、自分の心を支える善意に従うべきか」、あなた自身の心の形が試されるのだ。
どこかヘンテコな社会、そして本能的に生きる人々
街の治安を守る衛兵や、珍しいモノを取り扱う行商人など、バウワーストーン旧市街の生活は、現実の社会にも近い構造を持っている。しかし、物語を進めていくと、「おや?」と思えるヘンテコな構造に遭遇するのだ。例えば、逮捕礼状をみると、公的機関の作成した書類としてはなんとも不可解な内容が書かれていたり、商人の言葉に耳を傾けると「あなたをキレイに映し出す鏡です。ただし、明るいところでは効果を発揮しません」など、なんとも怪しい雰囲気。
そして、そんなヘンテコな世界観に住んでいる住人は、非常に本能的な生き方をしている。逮捕礼状をなくした衛兵は市民の平和よりも、自分の保身を心配し、「これがばれたら、一生保安官にはなれないぞ」と愚痴をこぼす。衛兵という、市民の平和を守る人であるはずの立場の人でさえこうなのである。他にも、現実逃避したいからと酒におぼれる中年男性や、泥棒することを寝言で自己弁護するコソ泥など、自分に素直というか、本能のままにとでも言うべきか、まさにプリミティブな人間性が丸出しの人々ばかりなのである。
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