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T教授の「戦略的衝動買い」 第31回

今年最高の衝動買い!正確無比の腕時計「ザ・シチズン」

2008年12月04日 15時35分更新

文● T教授

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 「ザ・シチズン」のために選び抜かれた「水晶振動子」(クォーツ)は特性が安定するまで3ヵ月の間静かに保管され、その後、1ヵ月のウォーミングアップが行なわれる。そして選び抜かれた水晶振動子だけが採用されるのだ。

 単体では正確な水晶振動子も、蓋を閉め、ひとたび腕時計の中に封入された環境になれば、精度に変化が起きる。ザ・シチズンは、一般的には不可能とされてきた腕時計の外側から周波数の修正を出来る新しい無線技術をも実現した。

「ザ・シチズン」

目に見える限り、どんな些細な埃もくすみも無い文字盤。時を刻む秒針は、気持ちいいくらい高い精度で確実に文字盤上の60個のマーカー上をトレースして行く。ごく当たり前のことなのに、実現出来ていない高級クォーツ腕時計が多い

「ザ・シチズン」

西暦2100年迄のカレンダーを内蔵ROMに記録し、カレンダーを素早く切り替える毎分1万回転の高速モーターを採用。裏蓋の「イーグル」マークはこれらの機能を確実に実現し、「スイス・クロノメーター優秀級」合格となった証だ

「ザ・シチズン」

本体と同じく、金属なのにしなやかで深い輝きのあるステンレスベルトは極めて繊細な職人の手仕事を感じさせる

 正確な筈のクォーツ腕時計の最大の弱点は外界の温度変化だ。例えば25℃で正常に時を刻むよう調整されたクォーツ腕時計は、温度環境が0℃になれば、1日に1.89秒の遅れが生じてしまうらしい。

 ザ・シチズンは、1分間に1回、自らの内部温度を測定。0.1℃刻みで自動的に測定し、その時の温度に合わせた周波数の補正を加えることで、「年差5秒以内」という世界最高峰の精度を確実に実現している。

 加えて、「パーペチュアルカレンダー」(西暦2100年まで修正不要のカレンダー機構)の採用、10年保証、生涯修理対応など、衝動買いには全くふさわしくない「日本の腕時計の超逸品」だ。

 国内外の多くの腕時計を並べて比べて見ても「ザ・シチズン」の価格性能比はウルトラが付く程高水準だ。今年最高の衝動買いだったと思う。

「ザ・シチズン」

2倍近い価格差の「グランドセイコー・メカニカルGMT」(左)と比較しても一歩を引けをとらない。それどころか、所有する人の立場から言えば、正確性とその信頼感、安心度は「ザ・シチズン」が圧倒的だ

「ザ・シチズン」

「ザ・シチズン」(右)と、筆者愛用の「ジェラルドジェンタ・レトロファンタジー」(左)、これらは比較することに何の意味のない両極の関係だ。未来に向かって「秒」を正確に切り込んで行く時計に対して、目を凝らしても秒は見えず、分単位も怪しく、細かなことは気にしない雰囲気の時計。オンとオフの腕時計を2本所有するにはかなり良い組み合わせだろう



今回の衝動買い

アイテム:「ザ・シチズン」CTQ57-1201
定価:26万2500円

T教授

T教授

 日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。

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