連写速度を決めたのは、撮像素子からの読み出し速度
実売90万円という価格設定は、主に新規に開発した撮像素子のコストによるものだという。ボディーに関しては、D3を踏襲しており、(アクティブDライティングの項目数など、一部追加したメニューをのぞき)操作感もほとんど変わらないが、内蔵のバッファーメモリーはD3の2倍積んでいる。このあたりもコストに関係したという(発売後、D3もバージョンアップで対応している)。
また、連写性能が毎秒5コマに下がっているが、これはCMOSセンサーの読み出し速度低下によるものだという。ただし、情報量としては2倍に増えているわけで、むしろ速度低下を極力抑えた地道な努力の成果が表れているとも言える。
広告写真などを手掛けているカメラマンに話を聞くと、画素数はいくらあってもいいという答えが返ってくる場合が多い。スタジオ撮影では、3000万画素を超す中判デジタルバックなども使われているが、高画素化による画質低下といった弊害がなければ、より手軽に撮影が進められる35mmフルサイズ機を使いたいというニーズがあるのだろう。
会場ではD3Xで撮影した写真を大きく引き伸ばした写真が数多く展示されており、そのポテンシャルの高さを十二分に感じさせた。機動性を重視し、動きのある被写体を狙うD3、中判カメラに匹敵する高解像度で作品作りに没頭できるD3Xと同じ顔でも性格は明確に分かれている。ボディーを共通化しているため、D3とD3Xを併用しても違和感は少ないだろう。
個人的には異なる撮像素子で、どの程度画の出力が安定するかが気になる。このあたりは後日のレビューで見ていきたい。