同じモノクロでも実はいろいろあるぞ!
モノクロで撮影した画像は絶対出力したほうがいい。トーンやコントラストを調整することもできるほか、見るディスプレーによって変わってしまう不安定な表現力ではなく、唯一にして無二の完結した作品が完成するのだ。
モノクロにはエプソンのMAXARTシリーズやキヤノンのPIXUS Proシリーズなど8~10色印刷のできる上位機種が向いている。例えば、MAXARTなどではグレーインクに加え、ライトグレーインクも搭載されている。ブラックもフォトブラックとマットブラックから選べるなど、黒系だけで常時3種類使用でき高い表現力を持つ。
最近では2~3万円程度のエントリークラス・プリンターでもグレーインクを採用しているケースがある。モノクロ印刷をしたいなら、これらを使わない手はないだろう。
実際、8色印刷のできるMAXART PX-5800など使ってみると、出力の設定画面でモノクロの調子を変更できる。ニュートラルな「純黒調」、やわらかい感じの「温黒調」、硬い感じの「冷黒調」などから選択することで、同じ写真でも随分と印象が違ってくる。
実際にそれぞれ調子の違うモノクロ写真を比較してみよう。サンプルに使ったのは、大阪・新世界の賑わいを切り取った写真だ。
モノクロ・純黒調
モノクロ・温黒調
モノクロ・冷黒調
なお、試しに6色染料インクのエントリークラスのプリンターでも印刷してみた。このプリンターの黒系インクは1色のみで、グレーインクは入っていない。こちらも手動で明度やコントラスト、彩度の調整はできる。ただ、出てきた作品の雰囲気はまったく違うものになった。モノクロの方がカラー写真よりも、プリンターの価格差や機能差がはっきりと出るようだ。