マンガが愛される理由とは?
第2問目は“マンガはなぜ広く愛されているのか”という問い。劇画というジャンルを作り上げたさいとう氏は「私は最初っから、大人も読める世界にしたいと思って頑張りました。団塊の世代にマンガを卒業させてちゃいけない。そのまま読んでいってもらいたい」と語った。
さいとう氏に続いて麻生氏が答えようとしたところで、弘兼氏から麻生氏に「総理は大人マンガ、子供マンガ、さらには少女マンガまで読まれていますよね」と質問。それに対し麻生氏は「少女漫画は世の中が勝手に作ったことで」と返答し、「『ゴルゴ13』は冷戦が崩壊したときには物語は終わってしまうんじゃないかと思ったんですが、新しいシナリオがあってサラリーマンの意識の先を行っているので、大人が読めるマンガになっていると思います」と話した。
日本のMANGAは特にフランスで絶大な影響力
3つ目の設問「日本のソフトパワーとは」という質問では、麻生氏が口火を切って答えた。「フランスでは、MANGAという言葉がフランス語になっているんですよ。国際MANGA大賞の第2回目が行なわれているんです。そのMANGA大賞に応募して入選した人は、日本に一週間いられるんですけど、賞金とかは出ないんですよ。それでも彼らにとっては“秋葉原にいける”“実際にマンガを作っている現場に行ける”ということで十分な魅力なんです。第1回の受賞者は『バガボンド』の作者の井上雄彦氏と会って握手をしたんですが、1週間の感想のほとんどが井上さんと会ったという内容になってしまうくらいなんです」と話していた。その上で「いま、映画やドラマの原作はマンガ発のものが多くなってきていると思いますが、マンガのほうが発想が豊かだからでしょう。そんなマンガ産業をもっと育てていこうと二階氏とも話していますよ」と語った。