あおりを食っているのは実は中国企業
「ノンブランドのケータイも、中国メーカーのケータイも、中国でデザインされた製品であることには変わりはない」という認識を中国の消費者の多くは思っているようだ。
そのため「多機能な携帯電話機を欲しいがお金がない」という一部の消費者に、ノンブランドの携帯電話は人気のようだ。その一方で「ニセモノは格好悪くて持ち歩けたものじゃない」と敬遠する消費者も都会を中心に少なくはない。またノンブランドのケータイのデザインも、中国メーカー同様、やはり中国的なセンス(一言でいえばダサいデザイン)である。それがゆえにデザインを気にする都会の利用者はノンブランドのケータイを敬遠している。
こういった背景から、「持つだけで(それなりに)ステータス」となる外国メーカーの携帯電話機と、「安価で多機能を目指した」ノンブランドの携帯電話機に挟まれた、中国メーカーの携帯電話が売れないという事態が生じている。
つまり、ノンブランド携帯電話機の台頭で最も割を食ったのが中国メーカーなのだ。実際ここ最近の中国の携帯電話メーカー(家電メーカー含む)の四半期決算を調べると、多くのメーカーが前年同期比でマイナス成長となっている。詳しく見ると、山寨機に対抗して、利潤を減らし値下げ攻勢をせざるを得ない状態が見えてくる。
これは日本と無関係な話かというとそんなことはない。例えば、液晶関係のパーツは日本のメーカーが大きく絡んでいる。調査会社のDisplay Searchによれば、中国向けLCD出荷数量は、昨年より急増している。グラフを見ると、その後中国向け出荷数量が下がっているが、実際は中国向けの LCD出荷数量の多くが山寨機に流れているのではないか、と同社は分析している。
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