東日本旅客鉄道(株)(JR東日本)のグループ会社であるジェイアール東日本メカトロニクス(株)と(株)ジェイアール東日本企画は25日、共同で自動改札を利用した電子ペーパーによる広告の公開実証実験を開始した。JR恵比寿駅において、3月23日までの4週間の公開実験を実施する。また同日、プレス関係者を集めて実際に電子ペーパーの広告を付けてデモンストレーションを実施した。
この実証実験は、富士通(株)と(株)日立製作所がそれぞれ開発した電子ペーパーディスプレーを隣の改札同士に並べて比較評価する形になっていた。JR東日本の情報や実験用広告サンプルの静止画像を6分間隔で切り替えて表示する。電子ペーパーは、それぞれ改札下部と切符取り出し口手前の2箇所に設置され、改札室のパソコンから有線LAN接続で切り替え制御を行なう。
両ディスプレーの評価方法は、駅内での聴き取り調査によるアンケートと広告代理店からの評価の2通りで、アンケートは100~200サンプル程度を集める予定。これにより、広告価値の検証や運用上の課題を抽出するという。
電子ペーパーディスプレーの表示画面サイズは縦210×横108mm。富士通製のディスプレー解像度は800×400ドット 512色で、日立製作所は640×320ドット 4096色。解像度は日立製作所製の電子ペーパーディスプレーの方が低いが、表示できる画面サイズが小さいため、色数が多い日立製作所製の方がより精彩に表示できていた。
しかしながら「Suica」や「PASMO」といったICカードが主流な現在において、どれだけ改札についている広告を利用者が見るのかが、筆者は疑問に感じた。JR広報に改札の床に電子ペーパーを設置できないのかと質問してみたら、改札近辺の床や階段付近の床に広告を設置すると通行の妨げになる恐れがあるので、設置できないのだという。