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シグマ的バルナック・ライカ 「DP1」がアスキーにやってきた

2008年02月14日 21時00分更新

文● 編集部 小林 久

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 海の向こうのアメリカで、1月31日から開催されていた「PMA 2008」。北米では最大規模のカメラショーということで、コンパクトから一眼レフ機まで、数多くの新製品が登場した。

DP1

DP1。写真は別売のレンズフード「HA-11」(2000円)と外付けのビューファインダー「VF-11」を装着したところ。HA-11は、フード部分を取り外すことが可能で、代わりに46mm径のフィルターなどを装着できる

キャプション

 そんな中ついにリリースとなったマニア垂涎の1台がある。(株)シグマの「DP1」だ。もともとは2006年9月にドイツで開催された「フォトキナ 2006」で参考出品されていた製品(関連記事)で、リコーの「GR DIGITAL」的な銀塩レンジファインダー機をほうふつとさせる玄人好みのデザインに、シグマの一眼レフ機「SD14」と同等の大型かつ高画素な撮像素子「FOVEON X3」を搭載するということで、話題を集めた。

 当初は2007年内の発売を予定していたが、その後仕様変更のアナウンスがあり、文字通り「首を長~くして発売を待つ」状況が続いていた。試作機ではあるが、その実機がアスキーに届いたので写真とともにお伝えしよう。



厚みはあるが、サイズ的にはGR DIGITALとほぼ同等


 外観に関しては、フォトキナ 2006に展示されていたときと比べて、滑り止めのデザインやボタンの色などに違いがある。全体にフラットに渋くまとまった印象で、金属外装のヒヤっとした感触などもいい。ストラップは両吊りでき、専用オプションとして外付けファインダーも用意。これをのぞいている自分の姿は「きっとかっこいいに違いない」と妄想を広げさせる、物欲刺激型のデザインである。

DP1

正面から見たところ。単焦点レンズの焦点距離は16.6mm。35mmフィルム換算では28mm相当。幅20.7×高さ13.8mmとコンパクト機にしては超大型の撮像素子(フォーサーズより大きい)を搭載するため、レンズの設計には相当苦労したそうだ。サイズとの兼ね合いで、開放F値はF4と若干暗めだ

キャプション

 ここで撮像素子のFOVEONについて紹介しておこう。CMOSイメージセンサーの一種なのだが、最大の違いは光を電気に変える部分が3層構造になっており、光の3原色すべての情報を取り込めるという点だ。デジタルカメラで使われている一般的な撮像素子では、画素ごとに揃うのは輝度情報のみで、色情報に関してはR、G、Bそれぞれのフィルターを交互に配置し、演算処理で補っている。

 FOVEONは上に書いたような構造なので、原理的に偽色も発生しない。またローパスフィルターも不要なので、ハマれば信じられない精細感と階調性が得られるわけである。

DP1

撮像素子FOVEONのロゴ。3層の構造で約1400万画素の出力になっており、一般的なCCDやCMOSとは異なる方式。ちなみにこれは一眼レフ機の「SD14」と同じもの。JPEG記録も可能だが、基本的にはRAWで撮影するのが推奨

キャプション

 もう1点DP1がすごいところは、撮像素子の大きさである。幅20.7×高さ13.8mmというサイズはコンパクトカメラの水準を大きく上回る。オリンパスやパナソニックが発売しているフォーサーズシステムの一眼レフ並みである。

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