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サンタクロースを追いかけろ! 北米防空システムの追跡結果がGoogle Earthで見られる

2007年12月25日 14時44分更新

文● 遠竹智寿子

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きっかけは間違い電話


 なぜ、NORADがサンタの追跡を行なっているのか?

 ことの始まりは、52年も前にさかのぼる。当時コロラドスプリングにある米国の大手デパートストアが、クリスマスシーズンのイベントとして子ども向けのサンタホットラインを設け、地元新聞に広告を出した。

 この時の電話番号が間違って掲載されたことで、NORADの前身となる組織「本土防空軍」(CONAD) の司令部に子どもから電話がかかってきた。電話に出たハリー・シャウプ大佐官は、その子の質問に「サンタクロースがコロラドに向かっているのをわれわれのレーダーが確認したところだ」と答えたのだとか。

 これがきっかけで、毎年職員がボランティアとなって出勤し(北米ではクリスマスは休暇)、サンタを追跡して子どもたちからの電話に答えるといったことを続けてきた。

 1998年にインターネット上で告知された後は、この活動が年々大規模になり、今ではこのサンタ追跡オペレーションセンターは毎年何千、何万もの電話や電子メールを受けるようになっている。

 2006年版「NORAD TRACKS SANTA」へのアクセス数は、世界210ヵ国から9億4100万に上った。クリスマスイブには、サンタ追跡オペレーションセンターに集まった756人のボランティアが世界中の子供からの約6万000の電話に応え、9万6000通のメールに返事した。

 この(NTS)プロジェクトで、NORADは「非軍事的」なプログラムのため政府経費を使うことはしていない。多くのボランティアとスポンサーの支援で成り立っているプログラムだ。特に近年は、ネットインフラ、サーバー、ウェブや映像制作、追跡マップ、無料通話番号の設置などを支援するIT、ネット企業の貢献は大きい。

 そういえば、国内では「UFO論争」が花盛り。平和憲法の下で「宇宙人」に自衛隊がどう対処できるかといったユニークな論争が持ち上がっている。日本の防衛省もやはり、日本を訪れたサンタクロースを察知していたのだろうか……。それはさておき、サンタの姿を追うこんな夢のプロジェクト、これからも毎年続くといいなと思う。

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