AMDの新型CPU「Phenom」シリーズが19日に正式発表されたことを受けて、秋葉原の各ショップでも動きが出てきた。22日からの販売が予告されているほか、サンプル版の入荷やデモなどがスタートしている。
ついに登場する「真のクアッドコア」
「Phenom」シリーズの詳細についてはAMD、クアッドコアCPU「Phenom」と「AMD 7シリーズチップセット」を発表!に詳しいのでそちらを参照していただきたいが、特徴を簡単にまとめると以下のようになる。
- すでに発表済みのサーバー&ワークステーション向けCPU「Quad-Core Opteron」と、同様のアーキテクチャーを用いた同社初の65nm世代デスクトップPC向けクアッドコアCPU。
- 1つのCPUダイ上に複数のCPUコアと各コア付属の2次キャッシュ(各512KB)、内蔵型メモリーコントローラーを備える“AMD 64アーキテクチャー”由来の特徴に加えて、4つのコアで共有される2MBの3次キャッシュメモリーを内蔵。)
- CPUとチップセットを結ぶHyperTransportは「HyperTransport 3.0」(HT3.0)に強化され、転送速度は14.4GB/秒に高速化。また同時に新しい省電力機能「Cool'n Quiet 2.0 Technology」を採用。
- 対応するCPUソケットは、既存の「AM2」と、HT 3.0に対応する新しい「AM2+」の2種類。ピン数はいずれも940ピン。ただし、下位互換があるので従来の「HyperTransport 2.0」世代のマザーボードでもBIOSの対応状況次第で使用できるものもある(新機能が使えない場合がある)。
・内蔵メモリーコントローラーはDDR2-1066メモリまでサポート。ただし、DDR2-1066自体にJEDECの正式な認証が出ていない現在では、購入できるのはオーバークロック系メモリだけということになる。 - 今回正式発表されたモデルはクロック周波数2.2GHz、2次キャッシュ512KB×4、3次キャッシュ2MB、TDP95Wの「Phenom 9500」とクロック周波数2.3GHzの「Phenom 9600」の2モデル。2008年第1四半期登場予定としてクロック周波数2.4GHzの「Phenom 9700」、クロック周波数2.6GHzの「Phenom 9900」の存在も公表されている。
- 同時に発表された「AMD 7シリーズチップセット」(AMD 790FX/AMD 790X/AMD 770)を搭載したマザーボードは、すでに秋葉原で多数のモデルが販売中。
販売開始は22日の午前11時から
秋葉原の複数ショップによると、販売開始は今週木曜日22日の午前11時から。実際にまず店頭に並ぶのは「Phenom 9500」で「Phenom 9600」の入荷時期については未定とのことだ。価格は3万1000円前後で予約などは受け付けず、当日からの販売のみとなる。また、気になる流通量のほうは「ある程度ある」とするショップや「未だに正確な数は不明」とするショップなど様々といった状況。売り切れが心配の人は、当日もしくは祝日となる翌23日などに買いに出かけるとよいだろう。