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ついに登場! AMDのPC向けクアッドコア

AMD、クアッドコアCPU「Phenom」と「AMD 7シリーズチップセット」を発表!

2007年11月19日 14時01分更新

文● 編集部 小西利明

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AMD Phenomプロセッサー

ついに登場した待望のクアッドコアCPU「AMD Phenomプロセッサー」のイメージ写真

 米AMD社は19日、同社としては初の65nm世代デスクトップPC向けクアッドコアCPU「AMD Phenomプロセッサー」と、同CPUに対応するチップセット「AMD 7シリーズ」を発表した。



AMD Phenomプロセッサー


 新しいPhenomは、「STARS CORE」と呼ばれる新しいアーキテクチャーを採用したデスクトップPC向けCPU。すでに発表済みのサーバー&ワークステーション向けCPU「クアッドコア AMD Opteronプロセッサー」(関連記事1)と、同様のアーキテクチャーを用いたCPUとなっている。今回市場に投入されるPhenomのラインナップは以下の2製品。併せて、2008年第1四半期に投入予定の上位CPUも、モデルナンバーやスペックが公表された。

Phenom 9600/9500の主なスペックとAMDのCPUラインナップ

発表されたPhenom 9600/9500の主なスペックとAMDのCPUラインナップ

クロック周波数 2次キャッシュ 3次キャッシュ Hyper Transport TDP 価格(ドル)
Phenom 9600 2.3GHz 2MB (512KB×4) 2MB 3600MHz 95W 283ドル
Phenom 9500 2.2GHz 2MB (512KB×4) 2MB 3600MHz 95W 251ドル
2008年第1四半期登場予定のCPU
Phenom 9900 2.6GHz 2MB (512KB×4) 2MB 4200MHz 未発表 350ドル以下
Phenom 9700 2.4GHz 2MB (512KB×4) 2MB 4200MHz 未発表 300ドル以下

 発表されたPhenomは、いずれもクアッドコアCPUである。AMDではクアッドコアのPhenom 9000シリーズのほかに、エンスージアスト向けの「Phenom FX-80」シリーズと、トリプルコアの「Phenom 8000」シリーズがラインナップされるとしている。

Phenomのダイ写真

Phenomのダイ写真

 Phenom 9000シリーズは、1つのCPUダイ上に複数のCPUコアと各コア付属の2次キャッシュ(各512KB)、内蔵型メモリーコントローラーを備える“AMD 64アーキテクチャー”由来の特徴に加えて、4つのコアで共有される2MBの3次キャッシュメモリーを内蔵している。浮動小数点演算ユニットにも改良が加えられ、パフォーマンスが向上した。トランジスター数は約4億5000万個。ダイサイズは285mm2

Phenomの主な特徴

Phenomの主な特徴。コアのクアッド化と3次キャッシュの搭載以外にも、細かな改良が加えられている

 内蔵メモリーコントローラーは若干性能が向上し、最大でDDR2-1066メモリーに対応可能となった。また、CPUとチップセットを結ぶHyperTransportは「HyperTransport 3.0」(HT3.0)に強化され、転送速度は14.4GB/秒に高速化された。対応するCPUソケットは、既存の「AM2」(DDR2-800、HT 1.0/2.0)と、HT 3.0に対応する新しい「AM2+」の2種類となる。ピン数はいずれも940ピン。

Phenomの対応ソケット

Phenomの対応ソケット。既存のAM2と、HT 3.0に対応するAM3をサポートする。2009年には新しい「AM3」ソケットが投入される

 Phenom 9600/9500は発表後まもなく出荷される予定だ。価格はそれぞれ、283ドル(約3万1130円、1000個ロット時の1個当たりの価格)、251ドル(約2万7610円)の予定。

Phenomのリテール版パッケージ

Phenomのリテール版パッケージのイメージ写真



AMD 7シリーズ チップセット


「AMD 790FX」のロゴ

「AMD 790FX」のロゴ

 同時に発表されたチップセット「AMD 7」シリーズ(コード名:RD790)には、3種類がラインナップされている。Phenomが備えるHT 3.0に対応し、CPUと同じ65nmプロセスで製造されている。サウスブリッジチップには、既存のAMD SB600を用いる。なお、すでに搭載マザーボードが各社から発売されている。

AMD 7シリーズのラインナップ

AMD 7シリーズのラインナップ

AMD 790FX
7シリーズの最上位に当たるエンスージアスト向け製品。PCI Express 2.0対応のPCI Express x16を2系統サポートしており、Radeon HD 3870/3850搭載グラフィックスカードを最大4枚装着する「CrossFireX」に対応する(4枚差し時はx8×4になる)。「AMD OverDrive」によるオーバークロックに対応。
AMD 790X
ゲーマー、HD映像を楽しむユーザー向けの上位製品。グラフィックスカードは2枚装着まで対応。
AMD 770
メインストリーム向け、HT 3.0に対応するエントリー向けチップセットに位置づけられている。

AMD 790FXのブロックダイアグラム

AMD 790FXのブロックダイアグラム。790XではPCI Express x16が1レーン分に減っていると思われる

 専用ソフトウェア「AMD OverDrive」による、CPUやメモリーなどの監視やオーバークロックが可能である。オーバークロック時には多彩な項目設定が特徴で、CPUのクロック倍率やHTの倍率、各種バスのクロックなどに加えて、メモリーの電圧やクロック、タイミングなどを細かく調整できる。自動でオーバークロックの限界点を調べて設定するテスト機能も備える。

「AMD OverDrive」の設定モード

「AMD OverDrive」の設定モード。単純/複雑の2モードに加えて、自動で限界を調べて設定するモードも

 なお、Phenomと7シリーズ、すでに発売されている「AMD Radeon HD 3900」シリーズ(関連記事2)とを組み合わせたプラットフォームを、AMDでは「Spiderプラットフォーム」と称している。

 AMDでは各チップセットを搭載したマザーボードの価格について、790FXは150~250ドル(約1万6500円~2万7500円)程度、790Xは99~150ドル(約1万890円~1万6500円)程度、770は70~100ドル(約7700円~1万1000円)程度と見込んでおり、競合他社の同価格帯マザーボードに比べて、CrossFireX対応やAMD OverDrive、消費電力などの利点を備えるとしている。

AMDチップセットのロードマップ

AMDチップセットのロードマップ。2008年2月には、DirectX 10対応GPUを内蔵した「RS780」が投入される


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