米グーグル社は6日(日本時間)、携帯電話機用のオープンプラットフォーム「Android」(アンドロイド)の開発を発表した。また、34社からなる業界団体「Open Handset Alliance」(オープン ハンドセット アライアンス)を設立し、Androidの開発を行なうことも発表された。スマートフォンの世界では、「Windows Mobile」を展開する米マイクロソフト社や「Symbian OS」を展開する英シンビアン社が先行しており、Androidはこれらと競合することになるが、Androidはスマートフォンだけでなく、よりローエンドな携帯電話機にも対応するプラットフォームであるという。
同日、グーグル(株)は東京・渋谷の同社オフィスにて記者発表会を開催した。記者発表会には米グーグルでモバイルプラットフォームディレクターのアンディ・ルビン(Andy Rubin)氏がテレビ電話を通じてAndroidに関する説明を行なった。
ルビン氏はAndroidについて、OSだけでなくミドルウェアやユーザーインターフェースのほか、ウェブブラウザーやメールソフト、インスタントメッセンジャーやカレンダーなどのソフトウェアも含むプラットフォームであるとした。また、「Androidによって、携帯電話機の世界でマッシュアップが可能になる。例えばGoogleマップの機能をサードパーティーが開発したアプリケーションで利用することなどができるようになる。それがAndroidの大きな特徴だと考えている」と語った。OSはLinuxベースであることも明らかにした。
Open Handset Allianceには、大きく5つのカテゴリーの企業が参加している。半導体メーカー、携帯電話機メーカー、携帯電話事業者、ソフトウェア企業、そしてサービス事業者などの「コマーシャライゼーションパートナー」の5つである。
半導体メーカーについては、「半導体の世界では基本的なアーキテクチャーの標準化が進んでいる。そこでAndroidを利用していきたい。ほとんどの半導体メーカーがAndroidを支持してくれるものと思っている」と語り、メーカーからの支持に自信を示した。携帯電話事業者に対しては、「オープンプラットフォームから大きな利益を期待できると思う」と述べ、その理由として、「モバイル通信事業者が新しいアプリケーションや機能を消費者に提供していくにあたり、消費者に多くの選択肢を提供できるからだ。さらに、プラットフォームの上に自分たち独自の仕様を組み合わせることもできる」とした。コマーシャライゼーションパートナーについては、「オープンソースの大きな問題は、サポートがないということだ。そこで彼らがプラットフォームに対してサポートを提供してくれる」と語った。
その後の質疑応答では、セキュリティーに関する質問などが寄せられた。ルビン氏は「我々は非常に強力なセキュリティーチームを持っている」としたうえで、セキュリティーに関する問題が発生した場合は「コミュニティーでパッチを配布する」とした。またAndroidはハイエンドなスマートフォン向けなのか、ローエンドな携帯電話機向けなのかという質問には、その両方に対応するプラットフォームであるとし、ローエンドな携帯電話機ではアプリケーションを限定して搭載することも可能と述べた。