居間にいながら訪問者を確認できる
訪問者が誰なのかを確認するために、玄関のドアにほぼ必ず付いているのが「ドアスコープ」だ。しかし実際に確認するためにはドアの前まで行く必要があるため、面倒な上に在宅していることを訪問者に察知されてしまうというデメリットも存在する。もちろんモニター付きのインターホンなら、玄関まで出向かずに相手が誰なのかを映像と音声の両方で確認することができる。ただ住居に最初から装備されていればよいが、そうでなければ配線工事などを行なって設置する必要があるため、使いたくても使えないという人は多いのではないだろうか。
こうした悩みを一挙に解決してくれる製品として、シャープから登場したのが「リビングドアスコープ」である。カメラに映し出された訪問者をワイヤレスで親機となるモニター上に表示するという製品で、特徴はカメラを設置する場所にある。
ワイヤレスでカメラに映し出された映像を見て訪問者を確認するという説明だけだと、カメラを玄関の「外」に設置するようなイメージだが、実はカメラを設置するのは玄関のドアの「内」側で、製品名どおりドアスコープ越しに玄関の外を映し出すようになっている。
カメラをドアの内側に設置するメリットの1つとして、訪問者にカメラを意識させないことが挙げられる。不快とまでは言えなくても、カメラ付きのドアホンのボタンを押すときに緊張したという経験は多くの人が持っているのではないだろうか。しかしドアの内側 にカメラを取り付ける「リビングドアスコープ」なら、見られていることを意識させないため緊張を強いることがない。またドアの内側に取り付けるため、住居の外観に手を加える必要がない点は、特に賃貸物件の場合に大きなメリットとなるだろう。
取り付けが容易であることも、「リビングドアスコープ」の大きな特徴だ。コインを使ってドアスコープを若干ゆるめ、その隙間に製品に付属するカメラ固定用のアタッチメントを引っかける。再度コインを使ってドアスコープを締め、さらにアタッチメントの押さえを回してしっかり固定する。最後にマグネットでアタッチメントにカメラを取り付けて、落下防止用のワイヤをセットすれば完了だ。アタッチメント2種類付属されているので、取り付けるドアに合ったものを選べるのは嬉しい配慮だ。なおカメラは単3電池3本での動作となっているため、配線などを考える必要がないこともポイントだろう。ちなみに1日5回、20秒間利用した場合で半年間電池を替える必要がない。
ここまで作業すれば、あとは親機となるモニターに電源ケーブルをつなげば準備完了である。設定らしい設定はほとんどなく、親機の上部にあるモニターをオン/オフするためのボタンを押せば、カメラの映像が液晶モニター上に表示される。液晶モニターは120×160ドットの1.9インチTFT液晶と十分な大きさがあるため視認しやすい。
なお、「リビングドアスコープ」はIEEE802.15.4(2.4GHz帯)という規格を利用して映像を電波で飛ばしおり、その到達距離は見通し約40mとなっている。このため、通常のマンションなどであればほぼ問題なく利用できる。
なお、今回は親機が卓上型の製品を利用したが、これとは別に壁掛け型の製品も用意されており、利用シーンに応じて選択できる。またこの製品はオプションとして、玄関だけでなく離れたところからペットの様子を確認するといった用途に使える「ワイヤレス室内カメラ」と、1階と2階のそれぞれで訪問者を確認するといった使い方を可能にする「増設モニター(卓上型/壁掛け型)」が用意されている(「ワイヤレス室内カメラ」は最大4台まで(ワイヤレスドアカメラ含む)まで、「増設用モニター」は1台増設可能)。こうしたオプションにより幅広い使い方ができるのも、「リビングドアスコープ」の魅力だ。