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シリーズ【疑問】 第15回

シンプルプランは「待ち受け」がお得?──よく分かる「au買い方セレクト」

2007年10月19日 18時40分更新

文● 秋山文野、編集部 イラスト●手塚由紀

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シンプルプランは本当に得なのか?


Q 「シンプルプラン」はどういう利用スタイルで得になる?

A まず待ち受け専用機として使っている人は、「シンプルプランS」を選んだほうがトータルのコストを抑えられる。

 例えば、下表のように、5万円の端末を買って、36ヵ月で買い替えるという長期利用を想定して、基本料金が1000円と格安のシンプルプランSと、現行プランで最も基本使用料が安いプランSS+誰でも割を比べてみよう。シンプルプランSを選んだほうが3年間で合計8800円安くなることがわかる。

(A)フルサポートコース
(1800円+300円)×36ヵ月+(端末価格-2万円)=5万5600円+端末価格

(B)シンプルコース
(1000円+300円)×36ヵ月+(端末価格)=4万6800円+端末価格

 

(A)と(B)の差額:8800円

 ただし、プランSSに含まれている無料通話分(毎月1000円=最大25分相当)を考慮すると若干事情が変わってくる。プランSSの無料通話分をフルに利用すると36ヵ月で900分通話できるのだ。

 これと同じだけの通話をシンプルプランS(15円/30秒)で行なおうとすると、2万7000円もの通話料金が余計にかかることになる。差額の8800円をすべて使い切った場合、約293分の通話が可能。ただし、1ヵ月ごとの平均を求めると毎月8分程度とほとんど通話できない。

 さらにプランSSには、買い換え時に使えるポイントも付与される(21×4ポイント×36ヵ月+200×3年=3624ポイント)ので、ほとんど通話しないという使い方でなければ、シンプルプランSを選択するメリットは出ないだろう。

 以上は36ヵ月の例だが、利用期間が6ヵ月と短い場合でも同じ傾向だ。総務省の想定する1端末の平均利用期間が24ヶ月という条件で計算してみても、明らかにフルサポートコースの方がお得になる(詳細は下記ページの料金シミュレーションを参照)。

 ただし、携帯電話の利用パターンは人によって大きく異なる点も忘れてはいけない。例えば、「家族割」で家族で無料通話分を分け合っているケースでは、家族トータルでの使用料金を考える必要がある(シンプルプランでも、家族間通話であれば料金はぐっと安くなる)。

 また、今後機種変更をする際に、2万円を下回る金額で端末を購入する可能性もあるだろう。2万円以上の端末では、フルサポートコースのほうがシンプルコースより2万円安く端末を買えるが、端末自体が2万円以下になればその差が縮まり、例えば完全待ち受けで使う場合は、よりシンプルプランSのお得度が増すことになる。

 KDDIは今後、開発コストが低い購入しやすい端末を投入する予定と発表しているので、安い端末での乗り換えを考えている人は、下記のような料金計算ソフトで試算してみてはいかがだろう。

料金計算ソフトを使ってみよう

 料金プランや利用月数を変えて、もっとさまざまなパターンをシミュレーションしてみたい場合には、ぬるぽ製作所/◆OUFPNullPo氏が作成する「AU支払金額計算」というWindows用のツールが利用できる(作者のページはこちら、動作には「.NET Framework 2.0」以降が必要)。設定した使用予定月のトータル支払額が簡単に算出でき、累計ポイント額も計算できる優れものだ。

難しいコース選択の悩みをスッキリしましょう

計算ソフトや次ページからの料金シミュレーションを参考に、自分の利用スタイルでお得なコースを割り出しましょう


Q 結局、購入端末の価格は高くなるのか?

A 総務省の「モバイルビジネス研究会」が発表したKDDI端末販売推奨金の平均額は、17年度で3万7000円だ。フルサポートコースを選んだときに支給される「購入サポート料」は、2万円とこれより少ない。

 KDDIは販売店向けの奨励金などをすぐには廃止しないとしているので、11月以降いきなり店頭で携帯電話機が定価で販売されるということはないだろう。しかし、人気機種はそれなりの販売価格、1円端末は型落ち機種、という二極化は進むかもしれない。


Q 11月に始まる前に機種変したらいいのか?

A 「在庫薄の人気機種なので今すぐ買わないとなくなる」という事情があるなら、11月12日を前に機種変更してもいいだろうが、あわてずに必要になるときを待って、新機種/料金プランを選ぶほうがいいのではないだろうか。できるかぎり、端末購入時に「どう使うか」という計画を立ててから選択しよう、というのが「au買い方セレクト」だと言える。


(付録に続く)

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