全国で見られる天下の国営放送、NHK。民放のように多くのアニメタイトルを抱えているわけではないが「ふしぎの海のナディア」や「未来少年コナン」のように、キラリと光るオリジナルSFアニメを放映することがある。筆者としては、そんな名作と肩を並べていると確信しているのが、現在教育放送にて土曜日18:30より放映している「電脳コイル」だ。
「電脳コイル」は、今よりちょっと未来の202X年が舞台。子供達は「電脳メガネ」というメガネ型のモバイル端末を持っている。これは現実世界に重ねてネットワーク上の情報を表示するハードウェアで、今で言う携帯電話とパソコン、ヘッドマウントディスプレイを兼ね備えたアイテムだ。いわばバーチャリアリティに対応したウェアラブルPCといえる。この電脳メガネ1つで、キーボードやディスプレイなどを電脳空間で表示して利用できるのだ。そして電脳メガネを通してみれば、そこに居るかのように見える「電脳ペット」、電脳世界で攻撃が行えるビームやミサイルといったアイテムを駆使していたずらを行ったりしながら、子供達は電脳世界を楽しんでいる。ワクワクドキドキを与えてくれるSF設定と、小学生の日常という誰もが経験してきた内容の組み合わせが、「電脳コイル」という世界を身近で魅力的なSFにしているのだ。
今回バンダイビジュアルより発売になったのは、1話と2話を収録したDVD第1巻。最近の例に漏れず初回限定版と通常版の2種類が店頭に並んでいる。販売価格は、初回限定版が6000円程度、通常版が2500円程度と通常版の価格は安価な部類に入るだろう。初回限定版には、ノンクレジットオープニングやエンディング、キャスト対談などを収録した60分の特典ディスクと1・2話の380ページ絵コンテ、16ページのブックレットを付属。通常版には、主人公の電脳ペット「デンスケ」をあしらった携帯ストラップとキャラクターカードが封入特典となっている。