サイズは“小”、音量は“大”なスピーカーを探せ!
家電量販店に行くと、iPodなどと一緒に小型のスピーカーがずらりと並んでいるが、外で使うことを目的とした場合、まず候補から外れるのは重くてかさばるものだ。気が向いたらいつでもどこでも始められるのが俺フェス。機動性が重要なのだ。
続いて、ACアダプターでしか動かないものもダメだ。屋外で使う以上これは当然といえば当然。とはいえ、電源不要のパッシブ型のものも避けたい。折りたたみ式の電源不要のスピーカーがよく売られているが、屋内では使えても屋外ではパワー不足の場合が多い。外では音は四散してしまうし、雑音にかき消されてしまうのだ。
つまり、俺フェス向けのスピーカーは、“小型”“電池駆動可能”“音がデカイ”この三点をクリアするものということになる。
以上を踏まえた上で、今回検証のために用意したのは、BOSEの『Micor Music Monitor』(M3)、ALTEC LANSINGの『iM5』、JBLの『on tour』の3種類。どれも有名なスピーカーメーカーなので期待が持てそうだ。それではさっそく検証を開始しよう。
屋外では高音域の伸びが重要
トップバッターはBOSEのM3。これは、コブシ大のサイズからは想像できないような迫力のある低音が出る、というのがうたい文句のスピーカーだ。値段も3機種の中では飛び抜けてるし、店頭販売はせず通販でしか買えないというのもプレミア感があっていい。何よりあのBOSEだから何かやってくれそうな気がして、筆者的には最も期待が大きかったスピーカだ。
実際に使ってみたところ、低音はうたい文句通りでほかのスピーカーを圧倒するものがあった。レゲエやヒップホップなど、低音が重要な音楽を聴いてるぶんにはとても気持ちいい。しかし、中低音が強く高音が若干弱めなので、雑音の多い屋外で聞いていると、ボーカルなどは引っ込んで聞こえてしまった。
また残念なことに、M3は電池駆動だと大きな音が出ず、3機種の中でも一番音が小さい。AC電源でないとM3の実力は半分も発揮されないようだ。
続いては、ALTEC LANSINGのiM5。iPod用のドックコネクターを装備していて、専用のリモコンで離れたところからiPodを操作できるのがなかなか便利だ。
若干厚めに感じるが、携帯性はまずまずといったところ。肝心の音はというと、3製品の中では一番音が大きく、M3ほどでもないが低域もある。パンチが効いた音なので、大人数でわいわい楽しむのに向いているだろう。
しかし、よく聞くと音の解像度が低く、中音域が少しだんご状になっていて、雑な音に聞こえるのが気になった。
最後はJBLのon tour。3つの中で最もコンパクトで、ふたを閉じた状態だと、眼鏡ケースを少し大きくしたくらいのサイズしかないし、重量も350gと軽い。携帯性は抜群だ。音に関しては、ステレオ感がなく低音はあまり出ないが、解像度の高さが素晴らしい。特に高音・中音域の伸びがよくて全体的にとてもバランスよく仕上がっている。ボサノバなどのアコースティックな歌ものがとても綺麗に聞こえたのが印象的だ。
俺フェスに最適なのは『on tour』
総合的に見て、俺(=小浜)フェスにおすすめなのはJBLのon tourだ。携帯性と音質、それに加え値段も手ごろと、トータルのバランスがいい。また、高音域が強めの特性が、雑音が多い屋外では有効で、ボーカルなどがとても聞き取りやすい。音量を上げると音が割れてしまいがちな面もあるが、初めてこれを聞いた人は、こんなに小さくて こんないい音がでるのかと感動するのではないか。
今回はあくまでも電池駆動にこだわったため、この選択になったが、AC電源で使った場合は、BOSEのM3がダントツで素晴らしかったことも付け加えておこう。
来年の夏まで待ちきれないという音楽好きなら、ぜひ一度“俺フェス”を体験してみてはいかがだろうか?
今回紹介した製品 | |||
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製品名 | Micro Music Monitor(M3) | iM5 | on tour |
ブランド名 | BOSE | ALTEC LANSING | JBL |
価格 | 4万9980円 | 1万6800円 | 1万2800円 |
本体サイズ | 64×122.5×122mm (1本) | 213×54×96mm | 175×88×35mm |
重量 | 600g | 570g(本体のみ) | 350g(本体のみ) |
バッテリー駆動 | 単3形電池×2本 | 単3形電池×4本 | 単4形電池×4本 |