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勝つための10のポイント

中国オフショア開発、勝ち組の証言(中編)

2007年04月18日 17時00分更新

文● 松本佳代子

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(4)互いに緊張感を保つ 〜他社との競争意識を持たせる〜


 一般にラボ契約のデメリットとして一定期間の契約が保証されているため緊張感に欠けることがあげられる。これを打開するためには、一定レベルを確保できなければ他社に切り替えるということを最初から話して、目標に向かってお互いに緊張感を保ち続けることだ。

 これは提携先を探す最初の面接時、提携決定後の試用期間、本番の開発期間など、いずれの場面でも有効なやり方だ。今回、GRESSOを開発したアジェンダは今後も中国でのオフショア開発を続ける予定だが、同じ会社に頼むとは決めていない。

 越川社長は「1社だけだとリスクがあるので、常に数社を視野に入れます。相手にも、最初からきっちり透明にお話して、ダメなら他社に依頼すると言っておけば、問題は起こりません。このやり方で、どの会社も大きくなっています」とコツを話す。



(5)コミュニケーションを積極的に 〜こんなときにGRESSOが便利〜


 “共同開発のつもり”でオフショア開発をするといっても、相手のスタッフとは常に顔を会わせているわけではないから、コミュニケーションを、きちんと取り続けることが重要になってくる。

 「メッセンジャー、スカイプも使ってますし、Excelで連絡表を付けて、日々やり取りしています。必ず文章で残すようにしています」と千葉氏。

 万が一メンバーが交代したり人員が途中で増員されたとしても、やりとりを文章で残せば開発経緯が分かるので、新しい人とも仕事を問題なく続けられる。次回から開発したばかりのGRESSOを使えば、もっと便利になるだろう。



(6)現場を把握する 〜スキンシップで効率アップ〜


 インターネットのおかげで遠隔地同士で手軽にコミュニケーションできるようになった今でも、やはり大切なのはオフショア開発担当者が直接現地に行って、現場を把握するということだ。

 アジェンダの場合、1月に1度は現地を訪れたという。「PGに関しては、直接に会って誰がどんな作業をしているのかを把握するのが大切。PMがそれを細かく見るというやり方がいい」と千葉氏は語る。

 製造業の場合、日本側の社長がラインのオペレーターたちに「がんばれよ」と肩を叩いて回っただけで、作業効率がアップしたという話も聞く。ただし、女性へのスキンシップは控え目がいいだろう。


(次ページに続く)

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