てんこ盛りの機能を食べ過ぎて、少しおてぶになってしまった日本のケータイ。一方で、ヨーロッパの携帯は機能も外観も、スリム＆スマートにまとめた製品が多い。そんな海外ケータイを2回にわたって見ていこう。
ギミックの楽しさがウリ、Ultra Special Edition
The Ultra mobile TV
韓国サムスングループのSamsung Mobileは、CeBIT 2007の会場内で、ビデオや音楽の再生機能を強化した“Ultra Special Edition”シリーズを同社のブース内で展示していた。過去の展示会で公開されているものが多いが、実際に手にとって使用でき、来場者の注目を集めていた。
Ultraシリーズの特徴と言えるのが、非常に薄い本体と独特な外観である。機能に応じていくつかのシリーズがあり、例えば、デジタル放送(DVB-H)の受信に対応したモデルは“The Ultra mobile TV”。音楽再生モデルであれば“The Ultra mobile music”といったサブブランドが用意されている。
このように液晶パネル部分がぐるっと回るギミック
このうちThe Ultra mobile TVの『SGH-F510』は、厚さ10.7mm。液晶は前後に2枚装備した“デュアルフェイス”で、音声通話を行なう側には10キー、テレビやmicroSDカードに保存した動画ファイルの視聴を行なう側には、上下左右＋決定の5Wayカーソルが装備されている。5Wayカーソルには、iPodのようなタッチパッド(Sweep Touch UI)が内蔵されており、指先で軽くなぞるように触れて音量を変更するといった使い方もできる。
ボタン操作だけでなく、指先で軽くなぞるような操作にも対応
また、ディスプレーと操作部分の間にはヒンジが設けてあり、本体を机の上などに寝かせた状態で液晶部分だけを起こすことも可能だ(スイーベル機構)。同社では、これを“Landscaoe View”と呼んでおり、外観面での特徴になっている。
通信に関しては、HSDPA、GSM、GPRS、EDGE、UMTSなどに対応。薄型の本体だが、200万画素のカメラも備えている。テレビ側の液晶パネルは2.4インチで解像度は240×320ドット。対応形式も音楽の場合はMP3、AAC、AAC＋、WMAど、動画の場合はMPEG-4、DivX、H.264、WMVとかなり豊富だ。音は外付けスピーカーやヘッドホンにBluetooth経由で送信できる(A2DPプロファイル)。
テレビ放送に対応しない『SGH-F500』という製品もある。
一方、The Ultra Musicと名付けられた『SGH-F300』は、動画再生やLandscape Viewには対応しないが、9.4mmとより薄型。こちらもデュアルフェイスで、Sweep Touch UIを装備するほか、FMチューナーも装備する。これ以外にも機能を音声通話とSMS、カメラ(320万画素)などに絞って、5.9mmに薄型化したモデル『SGH-U100』も存在する。
SGH-F300。表と裏の顔があります
SGH-U100。非常に薄い5.9mm
Windows MobileやSymbian OS搭載のスマートフォンも
このほか、QWERTY配列キーボードを搭載したWindows Mobile 5.0 for Smartphone搭載の『SGH-i600』やSymbian OS 9.2＋S60 3rd Edition Future Packを採用したスライド式のスマートフォン『SGH-i520』といった機種も展示されていた。
SGH-i600。QWERTYキーボードを備える
SGH-i600は、1月で展示されていた『Blackjack』というスマートフォンによく似ている。最大1.8MbpsのHSDPA、W-CDMA、EDGE、GPRS、GSMのほか、無線LAN(IEEE 802.11b/g)にも対応する。130万画素のデジタルカメラ、2.3インチの液晶ディスプレー(解像度は320x240ドット)を搭載。サイズは、幅59×奥行き11.8×高さ113mm、重さは105gだ。
SGH-i520。Symbian OSを搭載したスマートフォンだ
SGH-i520も、HSDPA、W-CDMA、EDGE、GPRS、GSMのほか、無線LAN(IEEE 802.11b/g)機能を備える。カメラは200万画素で、液晶パネルのサイズは2.3インチ(解像度は320×240ドット)。幅50.5×奥行き17.9×高さ101.7mmで、重さは99g。
