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最新パーツ性能チェック 第108回

「GeForce GTX 590」は最強GPUの座を奪い返せるのか?

2011年03月24日 22時01分更新

文● 加藤 勝明

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 2011年3月24日、NVIDIAは久々のデュアルGPU仕様となるエンスージアスト向けハイエンド「GeForce GTX 590」(以下GTX 590と略)を発表、AMDのフラッグシップ「Radeon HD 6990」に対する反撃を開始した。今回運良くZOTAC製「ZT-50501-10P」を借用する機会に恵まれたので、早速性能や使い勝手をチェックしてみた。

「GeForce GTX 590」のリファレンスモデル

 GTX 590の基板上には2基のGTX 580が搭載され、1枚のボードでSLI動作させる設計になっている。搭載GPUのシェーダー数やメモリー搭載量等はベースとなったGTX 580に準拠するが、コア/シェーダー/メモリークロックを1~2割落とした状態で動作させている(下表参照)。
 低クロック動作とはいえ、デュアルGPUなのでTDPは余裕の360W超え。推奨される電源ユニットの出力は700W以上と、ハイエンドの名にふさわしいゴツい設計だ。

GeForce GTX 590の基板。中央にnForce200、両側にGeForce GTX 580を搭載する

リファレンスデザインのGeForce GTX 590に搭載されているヒートシンク

各ビデオカードの比較表
GPU GeForce GTX 590 GeForce GTX 580 Radeon HD 6990
コードネーム GF110 GF110 Antilles
プロセスルール 40nm 40nm 40nm
シェーダバージョン 5.0 5.0 5.0
DirectX対応 11 11 11
シェーダ/ストリーミングプロセッサ数 512基×2 512基 1536基×2
テクスチャ
ユニット数
64基×2 64基 96基×2
ROPユニット数 48基×2 48基 32基×2
コアクロック 607MHz 772MHz 830MHz
シェーダクロック 1215MHz 1544MHz -
メモリクロック 3414MHz相当 4008MHz相当 5000MHz相当
メモリ種別 GDDR5 GDDR5 GDDR5
メモリインターフェイス 384bit 384bit 256bit
メモリ容量 1536MB×2 1536MB 2000MB×2
PCI Expressタイプ 2.0 2.0 2.0
PCI-E電源タイプ 8ピン+8ピン 8ピン+6ピン 8ピン+8ピン
消費電力 365W 244W 375W
市場価格 9万3000円前後 5万3000円前後 8万円前後
注:GeForce GTX 590/580の消費電力は、スペックシートに明記されているものを、Radeon HD 6990は最大消費電力を掲載している。

「GPU-Z 0.5.1」での情報表示。メモリーの種類や搭載量が違うが、各種クロックは本来の情報になっている

 デュアルGPUという仕様上、発熱量や騒音の増大というデメリットが不可避となるのだが、NVIDIAは今回かなりこれらの対策には腐心しているようだ。冷却力を上げるために無駄に大型化するのではなく、GTX 580よりもわずかに長さが増大しただけにとどまっている。当然GPU1つあたりのヒートシンク容積は減ってしまうわけで、冷却力を小さめのヒートシンクでも確保できるよう、動作クロック(特にコアクロック)を抑え込んだものと思われる。

今回テストしたGeForce GTX 590搭載ビデオカードは、リファレンスデザイン準拠のZOTAC製「ZT-50501-10P」。中央に9cmの冷却ファンを備え、その両側にGTX 580が1基ずつ配置されている

 GPUは基板両端に配置され、冷却ファンは中央からカードの前後に風を吹き出すことで冷却を行なうため、PCケースによってはパーツレイアウトを見直さねばならないだろう。HD 6990は長くて扱いに困るが、GTX 590はケース内に吹き出す熱風をどうハンドリングするかが腕の見せ所となるだろう。

基板長は約28cm。HD 6990が約31cmの大台超えであることを考えると驚きの短さだ

GTX 580(写真下)とGTX 590は1cm強しか全長が違わない。低クロック動作とはいえ、2GPUを小さなヒートシンクで冷却できるのか?と心配になるほどの短さだ

 デュアルGPU以外の注目点は、3系統のDVIコネクターを備え、3枚の液晶を使った3D環境「NVIDIA 3D Vision Surround」、あるいは非3Dの3画面環境「NVIDIA Surrond」に対応したこと。さすがにこの環境でゲームが楽しめる人はかなり限られるが、1枚のボードでここまで構築できるのは(夢が膨らむという点で)嬉しいことだ。

出力はDVI-Dが3つにMini-DisplayPortを備える。片方のGPUに1番と2番のDVI(写真では下の2つ)が繋がり、3番のDVIとMini-DisplayPortにもう片方のGPUが接続されている

補助電源は8ピン×2が必須。ケース前面側がぱっくり開いており、ヒートシンクの端が露出しているが、動作中はここから端子部と同じ熱気が吹き出してくる

(次ページへ続く)

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