「コミPo!(コミポ)とは、まったく絵を描かなくても、誰でもマンガを完成させられるソフトウェアです。コミPo!の登場によって、誰でも短時間でマンガを完成させることができるようになります!」
コミPo!公式サイトには、そんなコピーが掲げられている。いわゆる「マンガ制作ソフト」は数多くあったが、ここまで振り切ったキャッチは見たことがない。しかも、現役漫画家・田中圭一氏が監修を手がけたというのだから、驚きはより深い。
あまりにセンセーショナルな内容は、竹熊健太郎氏がブログで絶賛し、伊藤ガビン氏がツイッターでURL付きのコメントを残し、それを村上隆氏がリツイートして――と、発売前にもかかわらず大反響を呼んでいる。
それにしても、なぜ田中圭一氏がこんなソフトを作ったのだろう。ギャグ漫画「ドクター秩父山」、手塚漫画パロディ「神罰」などで知られる彼が関わっていると言われ、「あれ? 違……」という体験をしたのは筆者だけではないはず。
実は田中氏は現在、ゲーム開発系ソフトを作るウェブテクノロジ社に勤めている。にしても、なぜプロ向け制作ツールの会社が「コミPo!」なのか。そして、漫画家としてこのツールにどんな思いを込めたのか? 余すところなく話を聞いた。
パソコン用コミックシーケンサーソフト「コミPo!」
CPU:Pentium4(2.0GHz)以上 GPU:VRAM 128MB以上(DirectX 9.0c対応)
メモリー:1GB以上 OS:Windows 7/Vista/XP(SP3)
価格:9700円 発売:12月中旬 販売:ウェブテクノロジ(公式サイト)
自分のマンガでもここまでスレは伸びなかった
―― 先週は、2ちゃんねるでも様々な反応があるなど「だだ漏れて」しまった感がありましたね(取材日は10月12日)。
田中 私のマンガではこんなにスレッドが伸びたことはないので、ちょっとびっくりしましたね(笑)。
実は流出した映像は、約1年前、私がコミPo!を企画しはじめたとき、ソフトのイメージを関係者に把握してもらおうと思って用意したプロトタイプなんです。製品版はもっと完成度が上がっています。
なにぶん、実際に動いているところを見てもらわないと、イメージが伝わりにくい製品ではありますので、まずは、こちらの(完成版の)コミPO!紹介ムービーを見ていただければと思います。
―― おお! カラー中心なんですね。流出映像の方はモノクロでしたが……またずいぶん印象が変わりますね。確かに企業の製品プロモーションをマンガで、といった場合にも応用できそうです。
田中 ムービーの中でも用途の提案をしていますが、デジタル・電子書籍の時代でもありますから、もう最初から、例えばウェブを発表の場とするんだったらオールカラー作品を作りませんか? というコンセプトでこうしています。もちろんグレースケールに変換できるので、モノクロ出力も可能です。