高画質なセルフィーカメラをひっさげて日本に参入したOPPOは世界シェア4位にまで上り詰めています。しかしそんなセルフィー機能を第一に押しながらも、なかなか日の目を見ないメーカーもあります。今回は女子向けスマートフォンメーカーとして奮闘するDoovを紹介しましょう。
女子のためのセルフィースマホで存在感を高める
Doov(深セン市朶唯志遠科技)は2009年に創業した携帯電話メーカーです。女性向け携帯端末の専業メーカーとして生まれ、当初はパステルピンクカラーの携帯電話などを手掛けていました。そして2011年には初のAndroidスマートフォン「iEva D5」を発売します。フィーチャーフォンは「S」、スマートフォンはiEvaブランドの元に「D」と、この時から2つのラインナップに製品展開が分かれました。
同年に発売されたスマートフォン2機種目の「iEva D700」の広告には「Bugdroid」、いわゆるドロイド君が女の子になって描かれており、スマートフォンかつ女子向け端末であることをアピールしていました。このころの中国スマートフォンはまだ製品品質もあまり良くなく、本体デザインもあか抜けていないものが大半でした。Doovはそこに「おしゃれスマホ」というイメージで乗り込んでいったのです。
Doovのターゲットユーザーは女性でしたが、中国13億の人口を考えればそれだけでもビジネスになるわけです。その後2012年もフィーチャーフォンとスマートフォンを送り続け、販売数を着々と伸ばしていきます。
Doovが中国で大きな話題を振りまいたのは、2013年に投入した「iSuper S1」でした。
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