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【レビュー】Beatsの定番ヘッドホンが刷新! ロスレス再生に対応「Beats Solo 4」を聴く

2024年04月30日 23時00分更新

文● 山本 敦 編集●飯島恵里子/ASCII

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iPhone 15 Proに接続してSolo 4のBluetoothによるワイヤレス再生から確認

Bluetooth再生、有線ロスレス再生を聴く

 Solo 4の音質をAmazon Music Unlimitedが配信するULTRA HD(ハイレゾ)の楽曲でチェックしました。最初はiPhone 15 ProにBluetoothで接続しています。

 ジャズピアニストの上原ひろみと、トランペット・ベース・ドラムスによるカルテットが演奏する楽曲『Sonicwonderland』は、とにかく楽器の演奏が切れ味に富んでいます。まるで真夏の快晴の青空のようにパワフルで澄んだサウンドです。バンドが演奏する音が、目の前に迫ってくるような心地よい緊張感があります。低音は沈み込みと立ち上がりのスピード感が鋭く、筋肉質な瞬発力があります。ピアノやトランペットの高音域は響きが鮮やか。音の輪郭が滲むことなく、豊かな余韻が空間の広がりをしっかりと認識させてくれました。

 Beats Studio Proは、広大なサウンドスケープを描く表現力に富んでいるヘッドホンです。比べてSolo 4のサウンドの特徴を記述するのであれば「力強さ」が魅力的であると感じました。

 Solo 4は有線ケーブル接続時に最大48kHz/24bitのロスレスオーディオ再生に対応しています。USB-Cでパソコンやスマホ、タブレットに接続して、本体を充電しながら音楽を聴いたり、ハンズフリー通話にも使えます。

 同じく上原ひろみの『Sonicwonderland』をBluetoothによるワイヤレス再生と、USB-Cケーブルによるロスレス再生で聴き比べてみました。ロスレス再生の方が情報量に厚みがあり、演奏にゆとりが感じられます。音像の定位がより鮮明になり、演奏者どうしの距離感がつかみやすくなります。演奏の繊細なニュアンスも引き立ってくる感触がありました。

 同じ機能はBeats Studio Proも対応しています。ところがロスレスオーディオ再生は今のところ、アップルのAirPodsシリーズがどのモデルも対応できていません。音質にこだわるリスニング環境を追求しているところに、誕生以来オーディオブランドとして成長を続けてきたBeatsのこだわりが感じられます。

USB-Cケーブルを接続。ロスレスオーディオ再生がPCやスマホ、タブレットなどのデバイスと組み合わせて楽しめます

 スマホでUSB-Cケーブルによるロスレスオーディオ再生を楽しむ際には、ヘッドホンに電源が供給されます。パソコンのように3.5mmオーディオケーブルを接続できるヘッドホン端子を持つデバイスであれば、Solo 4のバッテリーを使わずに音楽を聴くこともできます。飛行機による長旅のあいだなど、Solo 4のバッテリーを少しでも節約しながら使いたい時にも最適です。

 かつてはBeatsのヘッドホンといえば「重低音」が代名詞という時代もありました。昨今のSolo/Studioシリーズは特にサウンドのバランスがよく洗練されており、ロスレス対応など演奏された音楽の原音再生と真面目に向き合っている印象を受けます。どんなジャンルの音楽にもよくフィットするヘッドホンだと思います。いまSolo 3を愛用している方も一聴の価値ありです。

 Solo 4は、ユーザーが様々な場所にベストなサウンドを持ち歩けるポータブルヘッドホンであることも大きな強みです。ジョギングやジムなどアクティブに身体を動かしながらでも使えます。本機はBeatsによる新世代の定番モデルになると思います。

 

筆者紹介――山本 敦
 オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。

 

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