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目先にとらわれやすい人の行動どう変える? NTTが数理モデル

2024年04月23日 06時53分更新

文● MIT Technology Review Japan

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日本電信電話(NTT)の研究チームは、人間の「現在バイアス」に基づく行動パターンを数学的に解析し、目標達成を助ける新たな数理モデルを開発した。現在バイアスとは、目先の利益や損失を過大評価する傾向のことで、このバイアスにより人は短期的な誘惑に屈しやすくなる。この問題を解決するため、研究チームは最適な介入時点と方法を導き出す数理モデルを構築した。

日本電信電話(NTT)の研究チームは、人間の「現在バイアス」に基づく行動パターンを数学的に解析し、目標達成を助ける新たな数理モデルを開発した。現在バイアスとは、目先の利益や損失を過大評価する傾向のことで、このバイアスにより人は短期的な誘惑に屈しやすくなる。この問題を解決するため、研究チームは最適な介入時点と方法を導き出す数理モデルを構築した。 新開発されたモデルは、シミュレーションを実施せずに人間の将来行動を予測可能であり、介入の最適化問題を現実的な時間内で解くことができる。具体的な計算結果として、現在バイアスが弱い人には報酬を一括で提供し、バイアスが強い人には報酬を分割して頻繁に提供することが最適であることを数学的に示した。 研究成果は、カナダのバンクーバーで開催された第38回AAAI人工知能学会(The 38th AAAI Conference on Artificial Intelligence)で発表された。

(笹田)

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