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佐々木喜洋のポータブルオーディオトレンド 第271回

音楽生成AIの進化速度に舌をまく、無料でも試せるStable Audio 2.0を使う

2024年04月07日 17時00分更新

文● 佐々木喜洋 編集●ASCII

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 生成された曲はかなり完成度が高いので驚いてしまう。以前は複雑な曲が苦手という印象があたったので、シンプルなピアノ曲にしたのだが、モデル2.0では複雑な音楽の生成も十分にこなせる。また、指定した楽器の要素もきちんと含まれている。ティンホイッスルは、普通のリコーダーのように聞こえるが、これはトーンを高くするなどプロンプトで調整可能かもしれない。画像生成AIでも、特定の楽器を出すのは難しいが、一般的な楽器を描いて形をプロンプトで調整することはできる。

 Stable Audio 1.0では実験室レベルの品質なので、ことさら課金しようとは思わなかったが、Stable Audio 2.0であれば課金して有料版で続け、もう少し修正して、追い込みたいと思わせるレベルになってきている。つまり、スタート地点(ユーザーが使いたいと思えるクオリティ)には立てたように思う。

 時折、左右のチャンネルが混じってしまうなど、まだ改善すべき問題はあるようだが、著作権問題に対して前向きな姿勢が示されたのは注目すべきポイントだ。これでまた音楽生成AIの実用化が、一歩前進したと言える。次期バージョンでは、どのようになるのか期待は大きい。

Stable Audio 2.0

新機能説明画面

 ちなみに、あまり説明されず、リリース後すぐに使用できなくなった機能としてAIラジオ「Stable Radio」がある。これは従来のストリーミングサービスなどでのラジオ機能を、AIで生成するもののようだ。配信はYouTubeでなされている。もしかすると、ストリーミングサービスに音楽生成AIが参入する、そして取って代わる日は意外と近いのかもしれない。

Stable Radio

Stable Radio

 いずれにせよ、前の記事で「音楽生成AIの先はまだ長い」と書いたことは、わずか半年で訂正しなければならなくなったようだ。筆者もAIの進歩については、だいぶフォローしているつもりだが、その進歩の速さに舌を巻くばかりだ。

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