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突撃!ナベコの「知りたいんだけど、きかせて!!」 第28回

通常の商品ではありえない、1年半の開発期間

ローソン「天下一品」監修ラーメンに隠された苦労とは。「京都まで足を運んで…」

2024年03月08日 17時00分更新

文● ナベコ 編集●ASCII

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天下一品監修の「こってりラーメン」、もう食べました?

 ローソンは天下一品監修の「こってりラーメン」(646円)を2月26日に発売開始しました。

 ご存じ「天下一品」は、鶏がらベースのこってりラーメンが自慢のチェーン店。コンビニのレンジ麺で天下一品監修のラーメンが登場するのは今回が初めてとのことです。

 発売から1週間を経て好調な売れ行きという本商品。電子レンジで温めるだけで天下一品のお店でさながらの、クリーミーなスープを味わえるのが魅力です(関連記事)。

麺がドロリとしていて、スープが絡みついてくる

 天下一品のこってりラーメンの味を再現するために並々ならぬ開発努力があったそう。商品が生まれるまでのお話を、ローソンの商品本部デイリー厨房部の北村憲祐さんに聞いてきました!

通常の商品ではありえない「1年半」の開発期間

――ローソンの「天下一品監修 こってりラーメン」スープをひと口すすった瞬間に衝撃を受けました。天下一品のこってりラーメンの特徴である“ドロリ”と表現できるような粘性を再現していますね。チルド麺でこの質感を再現するには大変だったのではないですか?

ローソン 商品本部デイリー厨房部 北村憲祐さん

ローソン 北村さん:そうですね、開発期間にはおよそ1年半を費やして完成させました。ここまで開発に時間をかけることは通常の商品ではめったにありえません。

 ローソンでは2021年11月に冷凍の「天下一品監修 炒飯」、そして2023年2月より冷凍の「天下一品監修 ラーメン」を発売しており、いずれも好評いただいています。レンジ麺でも天下一品監修商品に取り組みたいと、2022年の夏ごろにお声がけしました。

ローソン 天下一品

発売中の冷凍「天下一品監修 ラーメン」。こちらがはレンジ麺より先に登場

北村さん:ところが、最初半年間かけたレシピが天下一品さんのOKがいただけず、せっかく作ったレシピだったんですが一度思い切って白紙に戻しました。

――開発に半年かけて白紙!? どうしてですか?

北村さん:天下一品さんのスープの独特の味や食感をレンジ麺で再現するのが大変だった、という点につきます。天下一品さんのスープの配合は秘伝で教えていただくわけにはいかないので、試作を作って味を確認していただくのですが、なかなか良い反応をいただけず、半年間は結果に結びつかなかった。

レンジ麺ではイチから開発。試作を作ってもなかなかうまく行かず、最初の半年間はほとんど開発が進まなかった

――先ほどおっしゃったように、すでに冷凍では「天下一品ラーメン」を発売しているじゃないですか。そちらでノウハウができているのでは?

北村さん:冷凍のものとレンジ麺は素材から全然違います。冷凍はスープをそのまま凍結させますが、レンジ麺は短時間のレンジアップで加熱調理するため、スープをゼラチン状にする必要があります。また、同じ原料で作っても、冷凍とレンジ麺で風味の出方や味の感じ方が全然異なってくるため、まったく別物としてイチから作る必要があったんです。

動物性原料をたっぷり使用 600円台で商品化

――へえ、レンジ麺の開発って大変なんですね。どのようにして天下一品さんが認める味にもっていったんですか?

北村さん:天下一品さんのこってりラーメンというと、鶏ガラの味わい。そこで、ありとあらゆるな鶏の原料を使用していろいろな角度からアプローチしていきました。鶏ガラだけではなく、鶏肉ペースト、チキンの味を抽出したエキスから作ったペーストなども使用しています。また、ジャガイモや野菜のペーストなどを使用して、スープの粘性を出す工夫をしています。

独特の粘性や質感を出すのに苦労

北村さん:最初は天下一品さんに監修いただくために、拠点である京都に試作品をお送りして試食してもらうやり方でしたが、フィードバッグをしっかりお聞きするため、途中から試作品を直接持ち込む形に切り替えて、何度も通いました。

 試行錯誤して細かい調整も加えていく中で、ようやく天下一品さんに認めていただけるスープが完成しました。他の商品では考えられない位の動物性の原料を使用した、ローソン自慢の一杯です。

――通った甲斐がありましたね。価格としては1杯646円と他のレンジ麺と比べて少しお高めですが。

北村さん:おっしゃる通りです。レンジ麺の商品展開は“メリハリ”をキーワードに考えていて、日頃から手に取りやすい500円以下の商品はもちろん需要が高いです。一方で、今発売中の商品で「満腹濃厚豚ラーメン」という、いわゆるインスパイア系の濃厚でパンチのある商品は、678円と高価格帯でありながら好調です。専門店さながらの味という高付加価値の商品は、価格帯が上がってもお客様に選んでいただけるのでは、と捉えています。

「天下一品監修 こってりラーメン」の具材はチャーシュー、メンマ

――値段が高くても自信があるということですね!

北村さん:はい。お客さまにはスープのおいしさをぜひ味わってみていただきたいです。お店のようなクリーミーな質感や濃厚さをレンジ麺でできる限り再現しました。濃いのに後味は重すぎず、一口すすった後にまた一口、一口とすすりたくなる仕上がりになっていると思います。

――まさに実際に食べてみて、どんどんスープが飲みたくなりました! 今日は貴重なお話、ありがとうございました。

「こってりラーメン」はフェア終了後も販売予定!

 個人的な感想としては、ローソンの天下一品監修「こってりラーメン」は、天下一品のお店とまったく同じとまでは言いませんが、かなり近づけてきている印象でした。

 特に、麺をすすった時に「こってり」感あるスープが絡みついてきて、スープ、麺が一緒に口に入ってくる感じはお店さながらだと思いました。

天下一品フェアとして、ローソンでは天津チャーハンや炒飯おにぎりも発売中

 「こってりラーメン」は、ただ今ローソンで開催中の天下一品フェア終了後も継続して販売予定とのこと。お店の味がどこまで再現されているか、未体験の人は試す価値ありですよ。

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ナベコ

酒好きご飯好きのライター、編集者。
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