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「docomo Open House ’24」で公開された味覚共有システムや未来の脳画像を生成するAIたち

2024年01月19日 12時00分更新

文● 村元正剛(ゴーズ) 編集●ASCII

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 ドコモが最新技術や研究開発の成果を紹介する展示会「docomo Open House '24」が1月17~18日に東京国際フォーラムで開催された。1月16日には開幕に先駆けてメディアデーが用意され、いち早く展示を見ることができた。ドコモが新たに発表した技術や注目度が高かった展示を中心にレポートする。

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◆味覚を伝える新技術を発表

 会場では「生成AI」「メタバース・XR」「コミュニケーション」「都市デザイン」「交通」「5G Evolution & 6G」の6つのカテゴリに分けられ、31の展示が行なわれていた。

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会場の案内図

 ドコモからイチ推しの展示として案内されたのは「FEEL TECH」。言葉では伝えにくい感覚を伝送する技術で、過去の展示会では触覚の再現・共有などが紹介された。今回の展示では味覚をデータ化して伝送し、それを再現して共有するデモンストレーションが体験できた。ドコモが開発した「人間拡張基盤」を用いることがポイントで、伝えたい味の特徴が、受け取る相手の味覚の感じ方に合わせて再現される。

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味覚を伝送する仕組み

 デモでは、母親が作ったトマトスープの味が子どもが気に入らないという設定で、筆者が味覚に関するアンケートに回答。その結果を反映させた味がする水が出てきて、それを味わうことで、子どもが感じた味覚を疑似体験できる趣向。本来のスープの味を再現した水と、伝えたい味を再現した水を飲み比べると、後者は酸味や塩味が強く感じられ、子ども向けの味付けを調整する必要性が感じられた。

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このようなアンケートに回答して、データがパーソナライズ化される

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自分の味覚感度が生成される

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生成された味覚感度に合わせたデータを転送

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味は5つの要素から構成されるが、伝えたい味が、受け取り的に伝わりやすい味(水溶液)として出てくる

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味覚は5味、10個の要素の組み合わせで作られる

◆未来の脳画像を生成するAIや、簡単にNPCを作れるAIも

 MRIで撮影した脳画像から将来の脳画像を予測し、自動生成するAIも発表された。約500人・約15万枚の脳画像のデータを活用して開発されたもので、脳の萎縮や記憶力に関連すると言われる海馬の体積の変化を可視化し、認知症の予防につなげることが狙い。

 現時点では、個人の生活習慣や病歴などパーソナルな要素は反映されず、一般的な経年変化を予測できる仕組み。将来的には、個人に最適化した予測を可能にすることも視野に入れている。

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脳を全方位で撮影するMRI画像を利用

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73歳男性の脳の変化のシミュレーション。海馬の萎縮を予測できる

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パーソナルな情報を入力することで、個人に合った生活習慣改善アドバイスを得られるようになる

 メタバースを賑やかな空間にするために欠かせないノンプレイヤーキャラクター(NPC)を簡単に作れる生成AIも出展された。この技術を用いることで、プログラミングやアルゴリズムなどの専門知識がなくても、外見や行動、メタバース空間内での役割を備えたNPCをわずか20分程度で生成できる。

 この技術は「行動ロジック生成AI」「アニメーション生成AI」「外見生成AI」の3つで構成され、「行動ロジック生成AI」の開発と、3つの生成AIを自動連携する技術はドコモ独自で世界初。会場では、あらかじめ用意された英文のテキストを選択するだけで、約5分後にNPCを作る上で必要な「ビヘイビアツリー」が生成されるデモを体験でき、空間での行動のシミュレーションも見ることができた。

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5つのテキストが用意されていて、それを入力して、ビヘイビアツリーの生成を試すことができた

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5分ほどで、このようなビヘイビアツリーが生成された

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「外見生成AI」は試すことができなかったが、「行動ロジック生成AI」のデモを見ることができた

◆次世代通信の実現に向けた最新の取り組み

 5G Evolution & 6Gのコーナーでは、100Gbps超の超高速・大容量通信の実現に向けて、サブテラヘルツ帯を有効活用するための最新の研究開発状況が紹介されていた。

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サブテラヘルツの電波特性を評価する機器も展示

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最新の研究結果などについてパネルで紹介されていた

 また、中継アンテナなどを経由せずとも、スマホでの直接接続を実現できるHAPS(高高度疑似衛星)や、海中での無線通信を実現した水中ドローンなど、エリア拡張の最前線についても知ることができた。

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成層圏を飛行して、地上に通信エリアを形成するHAPSは、災害時の活用も期待されている。これはHAPSの電波を効率よく飛ばすためのシミュレーター

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海中での無線通信を実現し、海中での人の作業を軽減することが期待されている水中ドローン

 新たな光技術によって大容量・低遅延を実現するIOWNに関する展示では、20kmの光ファイバーを経由して、VRで卓球をするデモを体験できた。IOWN回線に接続されたVRヘッドセットを装着すると目の前に卓球台の映像が写り、離れた場所にいる人とリアルに対戦することができた。映像にタイムラグを感じることはなく、低遅延というよりも、ほぼ遅延がない快適さを体感できた。

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20kmの距離を想定し、VRで卓球の対戦を試すことができた

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IOWNのユースケースとして、ロボットの遠隔操作で建物内の保守をするデモも披露された

◆EVから基地局に給電するシステムも展示

 災害対策として、電気自動車(EV)を活用する取り組みも紹介されていた。停電によって基地局が稼働できなくなった際に、EVから基地局に給電し、通信環境を確保する仕組みだ。ドコモ、NTT、日本カーソリューションズの3社が取り組むもので、ドコモが開発する基地局電力の監視制御を担うEMS(エネルギー・マネジメント・システム)基盤と、NTTの研究開発によるAI配車計画、そして日本カーソリューションズが取得・提供するEVデータによって実現する。

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EVから独自に開発された「EV放電器」を経由して基地局に給電される

 「docomo Open House '24」に展示されたものは、1月17~29日に以下の特設サイトでも紹介されている。本稿でレポートしていない展示も多数あるので要チェック!

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