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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第851回

歴史ある街並みの人気スポット、傾斜地が多い広島県・鞆の浦で“高低差の猫たち”を撮る

2024年01月17日 12時00分更新

文● 荻窪 圭/猫写真家 編集●ASCII

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境内へと上がる階段のど真ん中で出迎えてくれたチャトラ。逆光がカッコいい。2024年1月 ソニー α9 III

 前回(「最新のソニー『α9 III』はAFも連写も速くて最強! 気がついたら1500枚も撮っていた」)に続いて、広島県福山市にある鞆の浦。歴史ある街並みが人気のスポットなのだが、ここは港街であると同時に斜面の街でもある。猫で有名な尾道と同じ地形だ。港周辺以外は、海と山に挟まれた傾斜地がほとんどなのである。

 そこで今回は、坂道と階段で撮る、いわば“高低差の猫たち”といきたい。冒頭写真は、まさに階段の猫。階段を上っていくと、ど真ん中でじーっと見つめてる猫がいるではないか。あまりにきれいにど真ん中にいるものだからこっちも猫をど真ん中に置いて撮影である。何段か下からしゃがんで猫目線で撮影。

 この階段を上っていくと山頂に寺がある。古くて立派な本堂。荷物が重かったので階段に座ってたら猫たちが集まってきたので、3匹いっぺんに背中から撮ってみた。

キジトラ、チャトラ、クロの3匹がお堂に向かって参拝の図。階段の中ほどに座ったまま、体を捻って撮影。2024年1月 ソニー α9 III

 参拝を終えたら、別の階段から降りることにする。と、後ろからクロネコがついてくるではないか。お、これは写真に撮ろうと立ち止まってしゃがんだら、なんと猫も、目の前にちょこんと座ってくださりやがりまして。

至近距離で、ちょこんと座ったクロネコをα9 IIIでナントカ撮ろうとするの図。

 これじゃあ撮れないじゃないかと思ったけれども、撮れました。α9 IIIはモニタがチルトするので、こういうとき大変ありがたいのだ。α9 III、偉いぞ(この場合はこの距離でフォーカスが合うレンズも偉い)。

階段の下をじっと見つめるキリっとした横顔。2024年1月 ソニー α9 III

 そして、場所を移動。高台にある別のお寺を目指すのだ。そこはもうすごく眺めがいいけど、急坂の上にあるから上るのが大変。そして訪問したら、別の急坂を下る。急坂すぎて、両端が階段状になっているほどである。

 急斜面なので、下る途中で道沿いの民家の屋根を見下ろすことになる。屋根を見下ろせるってことは、屋根の上でくつろいでる猫も見下ろせるってことだ。

 猫がいたのやね。近づいたら逃げそうだったので、坂の途中で座り、望遠ズームレンズに付け替える。車が通れるか通れないかという細い道だし、観光客もめったに来ないところなので座り込んでも大丈夫なのだ。時折通る地元の人にちゃんとあいさつさえすれば。

屋根の上の猫。ちょうど日差しが当たって暖かいのだ。2024年1月 ソニー α9 III

 高齢化が進んで過疎化してる地域ならではの朽ちそうな家屋がフォトジェニックではあるけど、そこに古くから住んでいる高齢者にとっては不便な場所になっているわけで、切実な問題ではある。

 さて、猫は探してると見つからないけど、座ってぼーっとしてるとどこからともなく現れるという法則がある。屋根の上の猫から目を離すと、坂の下にいつのまにか別の猫が現れて、こっちへ上ってくるではないか。

猫が現れた、と思ったらこっちへ上ってくるではないか。これはありがたや。2024年1月 ソニー α9 III

 このおだやかな顔をしたハチワレ、こちらへ来るかと思いきや、私が座っている横をするりと抜けて、さらに上っていく。そして、坂の上からこっちを見下ろすのだった。

この写真を見るとわかるとおり、急坂なのである。脇をすり抜けるところを連写しつつ流し撮り。2024年1月 ソニー α9 III

ちょっと上まで上って、安全なところからこちらを観察してるの図。猫の後ろにある黒いものは私のリュック。階段に置きっぱなし。2024年1月 ソニー α9 III

 下から見上げてると、今度はまた別の小柄なハチワレが登場。まだ若い子のようで元気である。その小柄ハチワレが、さっきの猫を引き連れて坂を下りて来るではないか。よく見ると顔も背中の模様も似てるので、親子な気がする。

子供がやんちゃしないかと、後ろから見守ってるようにも見える。そのくらい似てた。2024年1月 ソニー α9 III

2匹がちょうど縦列になった瞬間をゲット。先導の猫のほうが、まだ表情が若くて尖ってる感じ。2024年1月 ソニー α9 III

 そしてこの2匹はどうなったかというと、前を歩いていた猫が振り返って「おいおまえ、いつまでもついてくるな」と言ったとか言わないとか。もちろん猫なので、にゃあとしか言わないけど、そんなのだった。

振り返って、ついてきた猫を睨んでる……なんか、心配する親に反抗する若者を見てるような気分である。2024年1月 ソニー α9 III

 いやあ、やはり猫は面白い。結論。猫には高低差が似合う。

 もうひとつ、猫を撮るときは決して追わず、小さくなってくつろぐべし。そうすると、猫はいろんな姿を見せてくれる。そして体は冷え、日が暮れそうになって慌てて出発するのだった。

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筆者紹介─荻窪 圭

 
著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系フリーライター兼猫カメラマン。今はカメラやスマホ関連が中心で毎月何かしらのデジカメをレビューするかたわら、趣味が高じて自転車の記事や古地図を使った街歩きのガイド、歴史散歩本の執筆も手がける。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『古地図と地形図で楽しむ東京の神社』(光文社 知恵の森文庫)、『東京「多叉路」散歩』(淡交社)、『古地図と地形図で発見! 鎌倉街道伝承を歩く』(山川出版社)など多数。Instagramのアカウントは ogikubokeiで、主にiPhoneで撮った猫写真を上げている。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

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