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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第843回

小型・軽量なソニー「α7C II」を購入したのでそのまま猫を探しに撮影散歩へ

2023年11月22日 12時00分更新

文● 荻窪 圭/猫写真家 編集●ASCII

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路肩にちょこんと座ってた猫を撮ろうと構えたら、いきなりこっちへ来ようとしたのでびっくりしてシャッターを切った瞬間。しっぽの先が白くてかわいい。2023年11月 ソニー α7C II

 つい数日前、景気づけにカメラを機種変しちゃったのである。機種変って言い方は変だけど、旧型を下取りに出して、その場で新型を購入したので機種変みたいなものだ。

 手放したのは、ソニーの「α7C」。新しいのは、もちろん「α7C II」。α7Cは登場した時点からいささか古さを感じていたのに対し、α7C IIは中身が最新のα7 IVとなり、操作系もぐっとよくなったので、触ったときから「これは買い替えたい」と思ってたのである。

 買ったらすぐ使いたいのがサガというもの。なので、ストラップとSDカードとモバイルバッテリーと充電ケーブルをバッグに入れていくという用意周到さで臨んだのである。ソニーのカメラは、バッテリー残量ゼロで売られているので、用意周到が大切なのだ。

今回購入したソニー「α7C II」とシグマ「28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary」。

 ちなみに、今回はレンズも一緒に購入した。薄型・軽量・低価格のキットレンズではなく、シグマの「28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary」。F2.8通しながら比較的小型・軽量で、α7C IIのコンパクトなボディに似合うのだ。しかも、この価格でこの軽さならスナップにちょうどいいのである。

 そして、すぐ駅には行かず、カメラを首からぶら下げて、猫に会えるといいなと思いながら散歩である。毎年のように同じ店で買い物をして、同じように撮影散歩してると、一度猫に出会った場所に今回もいるかもと、つい足が向いてしまうわけで、ちょっと覗いてみたら、いた。

そういえば、以前ここに猫いたよな、と覗いてみたら、同じ場所にいた。2023年11月 ソニー α7C II

 2021年早々にα7Cを買ったときもここに猫がいたぞ、と昔の写真を引っ張り出してみると、2匹写ってる。そのうちの姿が階段に隠れていた黒いほうの猫が、今回の猫に違いない。

2年と10ヵ月前、α7Cを購入したその日に撮った写真。このときは2匹いたのだった。2021年1月 ソニー α7C

 ちょっとうれしいですな。地域猫って寿命が短かったり、里親が見つかって引き取られたりするし、そもそも猫って縄張り内を自由に動き回るので、いつもそこにいるわけじゃないのだ。この日も、昔はこのあたりで会えたのになあという場所で空振り。それはそれで、いつものことなのでしょうがない。

 普通に散歩写真を撮りながら散策し、そろそろ電車に乗って場所を変えるか、と地図アプリを開き、できるだけ遠回りにならず、しかも、車がすれ違えないような、何てことのない道を選んで歩き始めたのである。

 そしてモダンな家や、昭和な家や、ほぼ廃墟じゃんという家や、リアルな廃墟を堪能しながら歩いてると、目の前をさっと横切るヤツがいた。猫は探すと出会えないもの。探すのをやめたときに出会えることもよくある話で、そっと隙間から。

ちょっと警戒した顔でじっとこっちを見てるので、顔が見える隙間を探してそっと撮影。2023年11月 ソニー α7C II

 警戒されてたのでそうそうに辞去し、駅へ向かうと、猫のような鳴き声がする。どこかにいるのかとすれ違う人に不審な目で見られつつも、きょろきょろと見回すと(まあカメラ持ってきょろきょろしてたら不審だわな)、道路の端にハチワレがちょこんと座ってたのである。

 まずは遠くからと、しゃがんでファインダーを覗くと……こっちに向かって来ようとするではないか。思わずシャッター切ったのが冒頭写真ですよ。

 おお、人懐こい猫もいたもんだと思ったら、いきなり目の前にどん。思わずシャッターを切ったのだけど、ちゃんと目にフォーカスが来てた。猫瞳AFさんありがとうですよ。

思わぬドアップ写真。近くに来すぎてびっくりした感じが写真に表れてしまった。2023年11月 ソニー α7C II

 で、だな。この猫とさんざん遊んだり撫でたりしたのち、後ろ髪を引かれながら立ち去るんだけど、ふと振り返ると、名残惜しそうにこっちをじっと見てる。

 最後に1枚だけ撮るかと、しゃがんでモニタを開き、地面すれすれの猫アングルで構えたら、またこっちへ歩いてくるではないか。

道路の真ん中にぽつんと座ってる写真を撮ろうと思ったら、こっちへまっすぐ歩き出したではないか。2023年11月 ソニー α7C II

 すると、「こっちへ歩いてくる猫に、フォーカスをきっちり合わせ続けられるかテストをしろ」と言われた気がして、連続して撮ってみた。ずんずんずんって感じ。

ずんずんずんと近づいてくるハチワレ。最後の最後までフォーカスは外さなかった。2023年11月 ソニー α7C II

 最後の1枚まで、ちゃんと猫の瞳にAFが来てました。お見事。かくして、今回はカメラ店を出てから1時間半くらいの出来事の話でありました。

 そうそう、なぜα7C IIにしたかというと、撮りたい写真(まあ、猫ですな)に必要なスペックと画質を持っていて、なおかつ一番小型・軽量で持ち運びが楽なカメラが欲しかったのです。

 特に、上面がフラットなのが大事。バッグに収納しやすくて出し入れもしやすいから。最近、そういうカメラがちょっと減ってるのですよね。ニーズはあると思うのだけどな。

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筆者紹介─荻窪 圭

 
著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系フリーライター兼猫カメラマン。今はカメラやスマホ関連が中心で毎月何かしらのデジカメをレビューするかたわら、趣味が高じて自転車の記事や古地図を使った街歩きのガイド、歴史散歩本の執筆も手がける。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『古地図と地形図で楽しむ東京の神社』(光文社 知恵の森文庫)、『東京「多叉路」散歩』(淡交社)、『古地図と地形図で発見! 鎌倉街道伝承を歩く』(山川出版社)など多数。Instagramのアカウントは ogikubokeiで、主にiPhoneで撮った猫写真を上げている。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

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