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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第831回

後継機種の登場が待ち遠しい、愛用のソニー「α7C」でカッコいい猫写真を撮る

2023年08月30日 12時00分更新

文● 荻窪 圭/猫写真家 編集●ASCII

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70-200mmでハーフマクロまで撮れるレンズを付けて、顔をアップ。猫の横顔は立体感があってカッコいいのだ。2023年8月 ソニー α7C

 前回はソニー「α6700」の話をしたけど(「ソニー「α6700」の進化した高速AFは猫の不意な動きもばっちり捉えてくれる」)、これを見ると思い出すのが「α7C」。ほぼ同じようなサイズで中身はフルサイズセンサー、コンパクトで高画質というスナップ向きミラーレス一眼。2020年秋の発売で、今となっては中身がちょっと古くなっちゃってるのだが、実は愛用してたりするのである。

 と、突然α7Cの話を始めたのは、α6700を使ってみて「ああ、この最新世代の機能・性能が入ったα7Cの後継機が出ないかな」と……たぶんα6700をうらやましく思ったのだ。なので、今回はα7Cで最近撮った写真。α7Cは上面がフラットでコンパクトで小さいカメラなので、単焦点レンズを付けてスナップ的に撮るのが似合う。

 まずは、うちの猫。外出するとき、猫がどこにいるか確認しておくのは基本。間違ってどこかの部屋に閉じこめちゃってはまずいからね。姿が見えないので探したら、納戸として使ってる部屋のカーテン裏に隠れて、外を見てたのである。

棚の上に乗って窓の外をじっと見つめるミル。網戸にしてあるので、外の空気が入ってきて気になるのだ。窓からの光のおかげで目がきれいに撮れた。2023年8月 ソニー α7C

 そこにいるなら大丈夫、と玄関を出て、廊下から網戸ごしに部屋を見ると、ミルが窓枠に顎を乗っけて見送ってくれてたのだった。これはかわいい。

 ちなみに、網戸越しであるからカメラによっては網戸の網にピントが合っちゃう。α7Cの猫瞳AFは、ちゃんと網戸を無視して瞳を捉えてくれたのだった。間に網戸があるから、画質的にはちょっともやっとするのだけど、そのもやもやもまたよし。

顎乗せミルを廊下から網戸越しに。黒猫の生首とか言うな。2023年8月 ソニー α7C

 このときのレンズは、シグマの「50mm F2.0 DG DN」。2023年に発売された「Iシリーズ」のひとつ。写りはもちろんのこと、見た目もカッコよくてコンパクトなα7Cに似合うのだ。

α7Cとシグマの「50mm F2 DG DN」。このIシリーズのレンズが一番似合うのはα7Cだと思う。実に大きさのバランスがいいし、絞りリングが付いてるのも、とっさにさっと変えられてありがたい。

 そして、このサイズなら部屋の適当な場所に置いておいて、いつでもさっと持ち出せるので飼い猫撮りにいいのである。

 次は、浴室のミル。水の音がするからなのか、以前から浴室を気にしていたのだけど、このときはいつのまにか風呂蓋の上にちょこんと座ってたのだ。

風呂蓋の上にちょこんと座ってる。誤って湯船に落ちないか心配ではあるが(一度やらかしてる)、その前にとりあえず撮る。2023年6月 ソニー α7C

 鏡に映る姿が面白かったので、浴室っぽさが見えないアングルにして1枚。そして、背景を白トビさせてやると、黒い猫と鏡に映る背中だけが残ってちょっと不思議な感じになる。

ローアングルで浴室っぽさを消してみた。鏡と壁の境もわからないので、ちょっと面白い写真に(鏡を磨いておけばよかったとは思うけど)。2023年6月 ソニー α7C

 α7Cのセッティングは、基本、絞り優先AEにしてある。シグマのIシリーズはレンズに絞り環が付いてるので、それを回して絞りを決める。でも、猫を撮るときはシャッタースピードを速めにしたい。うれしいことに、αシリーズのISOオートは、感度の上がり方を5段階から指定できる。「FAST」にすると、速めのシャッタースピードを維持しながらISO感度をコントロールしてくれる。これが便利。

 後半は、おなじみの「保護猫シェルター QUEUE」。キャットタワーの一番上にいたハチワレが起きて、伸びをして頭を天井にぶつけたときの画だ。「あっ」と思って思わずカメラを向けたら、ギリギリ間に合った。

天井にぶつかろうがなんだろうが、起きたときはまず伸びをしようとするのだ。左下の猫が「何やってんだ、君は」ってポーズに見えるのがまたおかしい。2023年6月 ソニー α7C

 あらかじめ動き回ってる猫を撮りたいときは、シャッタースピード優先AEにして、その時々に応じて、1/250秒だったり1/500秒だったりにして狙う。

 そんな中から1枚。タイトルはもう「出してくれー」あるいは「それをくれー」しかないよな。猫を保護すると、医者に連れて行き、病気がないか調べ、ワクチンを接種し、といった一連のチェックが必要になる。うちにいるミルだって、やってくる前日は動物病院にお泊まりしてチェックを受けてた。

 で、保護したのち、他の猫との交流をしてOK、となるまではこうしてケージに入れられているのだが、子猫はじっとしてられないのでこうなるのである。

隙間から手(右前足)を思い切り伸ばしてる姿がたまらん。ピントを瞬時にどこに合わせるべきかが難しい1枚。2023年6月 ソニー α7C

 いや、顔より前足にピントを合わせたいと思って撮り直したのがこちら。フォーカス的にはちょっと苦しかったけど、肉球と爪がかわいいのでよしとしたい。

くわっと開いた右前足がかわいかったので。子猫なので爪もまだかわいい。2023年6月 ソニー α7C

 そして今回は、新製品のソニー「FE 70-200mm F4 Macro G OSS II」も借りて使わせてもらった。

α7Cにソニーの「FE 70-200mm F4 Macro G OSS II」を装着した図。レンズが大きく見えるのはα7Cに付けたから。これは望遠だけど、ぐぐっと寄れて、いいレンズなのだ。

 α7Cに付けるとレンズ側が重くてちょいと大げさなのだけど、これがかなり寄れるので、室内で猫を撮るときにもいい。そっと顔のアップを撮れるのである。

 レンズがでかいので、あまり近寄ると猫がそれに気を取られちゃうので気をつけなきゃいけないのだけど、そっと撮ったらカッコいい写真を撮れる。こういうとき、ピシッと瞳にピントがきてくれる猫瞳AFがありがたい。

 それが冒頭写真だ。さらに、試しにどのくらいまでアップで撮れるだろう、とピントが合うギリギリまで寄ってみたのがこちらだ。

この距離が限界だった。でも、ここまで大きく撮れると瞳を拡大して見ちゃう。猫の瞳は興味深いのだ。2023年8月 ソニー α7C

 猫の瞳がディテールまで写ってる。つい拡大して見ちゃうよね。

 そして8月29日の夜、ソニーから新製品が発表されたのであった……と言いつつ、これを書いてる時点では、まだ何が出るかはわかってないのだけれども、いろいろと期待はしてます。

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筆者紹介─荻窪 圭

 
著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系フリーライター兼猫カメラマン。今はカメラやスマホ関連が中心で毎月何かしらのデジカメをレビューするかたわら、趣味が高じて自転車の記事や古地図を使った街歩きのガイド、歴史散歩本の執筆も手がける。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『古地図と地形図で楽しむ東京の神社』(光文社 知恵の森文庫)、『東京「多叉路」散歩』(淡交社)、『古地図と地形図で発見! 鎌倉街道伝承を歩く』(山川出版社)など多数。Instagramのアカウントは ogikubokeiで、主にiPhoneで撮った猫写真を上げている。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

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