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核融合プラント開発 京都フュージョニアリングが最優秀賞獲得

「Morning Pitch Special Edition 2023」レポート

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究極のクリーンエネルギー「核融合」のプラントを開発。日本中の企業と協業して産業インフラとして世界へ輸出

 次に登壇した京都フュージョニアリング株式会社は、京都大学の核融合研究の成果を受けて2019年に設立された、核融合特殊プラント機器の開発を行う企業だ。また、核融合のソリューションを活用して、脱炭素や地球温暖化の課題解決に取り組むための技術開発にも取り組んでいる。

 現状、核融合は究極のクリーンエネルギーとして世界で注目を集めている。内閣府でも有識者会議が行われ、生存エネルギー戦略のひとつとして期待されている。また、海外では数千億規模の資金調達を実現するスタートアップが登場していると、共同創業者 兼 代表取締役の長尾昂氏は解説する。

京都フュージョニアリング株式会社 共同創業者 兼 代表取締役 長尾昂氏

 その中で同社は、2022年世界初となる核融合発電試験プラント「Unity」を公開。さらに、2023年5月には、三菱商事や三菱UFJ銀行、関西電力などから総額105億円の資金を調達。主力製品である核融合炉周辺装置やプラントの研究開発をさらに加速させていく予定だ。

 長尾氏は、「核融合プラントの開発は、一社では実現できない。部品などを作る一万社以上の企業が集まって、一つのプラントを作っていくことになる」と話す。日本には技術力を持った企業が数多くある。それらの企業と協業してプラントを開発し、産業インフラとして世界へ輸出することで、90兆円規模といわれるフュージョンエネルギー産業の創出機会を得たいと、長尾氏は今後の目標を語った。

オートフォーカスで瞬時にピントが合うメガネ「ViXion01」

 最後に登壇したViXion株式会社は、「見え方の課題をテクノロジーで解決する」をミッションに、視覚障がい者や眼の疾病を抱える人の生活が便利になるウェアラブルデバイスを開発、販売している。

 2050年には世界人口が100億人に達するともいわれている中で、その半分が近視、10%は失明リスクが高まる強度近視になるという予測がされていると、代表取締役社長の南部誠一郎氏は話す。

 そこで、同社が開発した製品が「ViXion01」というメガネ型デバイスだ。特徴は、レンズの形状が見たものの距離に応じて変形し、距離に関係なく瞬時にオートフォーカスできること。人は近くのものを見ようとすると、眼の毛様体筋や水晶体が酷使されて機能の低下につながる。「ViXion01」では、毛様体筋や水晶体の役割をレンズが担うことで、遠くを見るときと同様に、眼はリラックスした状態をキープできるという。

「近視や乱視などの人に効果があるだけでなく、まだ眼に問題がない人が酷使を予防する意味でも有効」だと南部氏。「近視予防のマーケットは非常に大きくなると考えており、20兆円程度はすぐに形成されると思っている」と予測した。

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