このページの本文へ

ゴム伸縮による冷却機構を効率化、フロン代替も視野=東北大など

2023年01月31日 15時41分更新

文● MIT Technology Review Japan

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

東北大学などの国際共同研究チームは、天然ゴムなどに代表される弾性体が持つ「弾性熱量効果」を利用した冷却機構の性能を定量的に評価。ゴムの弾性熱量効果による冷却機構が、フロンを用いたこれまでの冷却機構が持つ成績係数(エアコンやヒートポンプなどの効率を表す指標)に劣らない値を有していることを明らかにした。

東北大学などの国際共同研究チームは、天然ゴムなどに代表される弾性体が持つ「弾性熱量効果」を利用した冷却機構の性能を定量的に評価。ゴムの弾性熱量効果による冷却機構が、フロンを用いたこれまでの冷却機構が持つ成績係数(エアコンやヒートポンプなどの効率を表す指標)に劣らない値を有していることを明らかにした。 同研究チームはこれまでの研究で、天然ゴムなどの弾性体伸縮時の発熱・吸熱現象(弾性熱量効果)現象を用いて高温領域と低温領域を作り出すことに成功していた。今回の研究では、弾性体の形状や領域間の流体の移動量、弾性体伸縮と流体移動の関係などが性能に及ぼす影響について詳細に検討。最適条件を求めて、冷却機構の高効率化に成功した。 さらに、冷却機構の実用的な応用に向けて、実験装置を用いて性能の向上についても測定。弾性体の配置を最適化し、熱量効果を有効に利用することで、成績係数が6以上となることを明らかにした。 今回の研究で明らかにした最適化条件および実用的な応用に向けた出力などの知見は、天然ゴムをはじめとする弾性体を新たな冷却機構の素材として利用できることを示しており、フロン利用の冷却機構の代替としての冷却機構の実現と、その社会実装が期待される。研究論文は、アプライド・サーマル・エンジニアリング(Applied Thermal Engineering)に2023年1月6日付けでオンライン掲載された。 (中條)

カテゴリートップへ

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ