M440i、Z4、M4と3回にわたりBMWの「シルキー・シックス」を五感で楽しめるオープンカーをご紹介しました。では、その中で「推しの1台は? 筆者か買うとしたら?」という点で、個人的な思いを記したいと思います。
オープンカー=非実用的を覆す存在
最初に「オープンカーは実用的ではない」という論がありますが、それはこの3車種にはあまり当てはまらないように思います。さすがにSUVと同じくらい荷物が載る、荷室が使いやすい、とは言わないまでも、Bセグメントのコンパクトハッチを超えるの積載能力があります。
次に「いうほど幌を開けないのでは?」という論について。それは「幌の開閉が面倒そう」という話にたどり着きます。確かに手動で幌を開けるタイプの車の中には、開閉に手間がかかるモデルもあります。ですが、ここでご紹介するモデルはすべてボタン1つで幌が開閉でき、しかも信号待ちしている間に作業が完了します。気軽にオープンドライブが楽しめるのです。
比較をするにあたり、まず価格について。Z4は893万円、M440Iは1112万円、M4は1463万円と、それぞれ国産コンパクトカーがラクに買える分の価格差があります。
それを踏まえて、最初の選択肢は「2座を選ぶか4座を選ぶか」ということになります。車は1台しか所有できず、3~4人乗車する機会があるという段階で2座のZ4は選択肢から外れます。
ですがZ4の場合、最初から車内への走行風の巻き込みを防ぐウィンドディフレクターが標準装備されているところがポイント。このウィンドディフレクターですが、60km/hを境にして効果の有無がはっきり体感でき、80km/h以上でウィンドディフレクターを外して走行するのは、現実的ではないと感じます。M4、M440iは、このウィンドディフレクターは別売り(4万円)で、かつ自分で装着しなければなりません。さらに言えば、ウィンドディフレクターを装着した場合、後席に人が着座することはできません。ですので「オープンドライブを積極的に楽しみたい」という方にはZ4をオススメします。
Z4とM4、M440iでは、後席の関係上、全長が異なります。具体的には、Z4が全長4335×全幅1865×全高1305mm。M4とM440iが全長4775×全幅1850×全高1395mm。実際に並べると確かにM4の方が長いのですが、一般道や駐車場でボディーサイズに起因する不都合を感じることはありません。ただ、どちらも幅は広めなので、路上のパーキングメーターの白線内に車を止める時は、左側の縁石にホイールをガリってしまわないか心配になります。
この連載の記事
-
第432回
自動車
EVなのにドリフト!? 変速ショックもあるヒョンデ「IONIQ 5N」に新 唯も興奮! -
第431回
自動車
エコもなんのその! V8エンジンで525馬力のSUV「ディフェンダー」は趣味車として最高の選択肢 -
第430回
自動車
燃費良し走り良し! スズキ「ソリオ バンデッド」のハイブリッドが売れてる5つの理由 -
第429回
自動車
Honda「オデッセイ」は2列目シートの使い勝手と座り心地が最高すぎた! -
第428回
自動車
砂漠も山道も走れるJeep「WRANGLER SAHARA」は東京砂漠も楽勝だ! -
第427回
自動車
ホイールで走りが変わる!? ホンダ「VEZEL」の専用ホイールを新 唯がテスト! -
第426回
自動車
SUV+BEV=最高! メルセデス・ベンツの電動SUV「EQB」はアイドルも納得の乗り心地 -
第425回
自動車
雪道も砂漠もドンと来い! ポルシェ「911 ダカール」は悪路を得意とするスーパースポーツ -
第424回
自動車
今買うならMAZDA2の前モデルがお買い得な5つの理由 -
第423回
自動車
ホンダの新型アコード試乗! ハイブリッドなのにエンジン車のようなユニークな走り -
第422回
自動車
マツダ「MX-30 Rotary-EV」はロータリーエンジンのみならず! 新 唯がマツダ好き目線でジャッジ! - この連載の一覧へ