このページの本文へ

3年ぶりに開催された年次カンファレンス「Dash」の新製品を披露

コスト、テスト、セキュリティ クラウドの3つの課題に挑むDatadogの新製品

2022年11月01日 14時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 2022年11月1日、クラウド向けのオブザーバビリティプラットフォームを手がけるDatadogは、年次カンファレンス「Dash」で発表された新発表について説明した。Datadogはクラウド向けのインフラモニタリングツールからスタートし、現在はインフラのみならず、アプリ、ログまでを統合管理するオブザーバビリティ(可観測性)プラットフォームを展開している。

3年ぶりの現地開催になったDash DevSecOpsが大きなテーマに

 冒頭、登壇したDatadog Japan合同会社カントリーマネージャー国本 明善氏は、3年ぶりに北米ニューヨークでリアル開催された年次カンファレンス「Dash 2022」について説明した。さまざまなセッションが披露された今年は、DevOpsにセキュリティを加えたDevSecOpsの観点で、日本のユーザーにとって有益な情報が多かったと説明。「セキュリティを後回しにして、機能性だけを追求したプログラムとラウンチでは、これからのデジタルビジネスに追従できない。DevSecOpsをもっと加速するためにオブザーバビリティプラットフォームを加速する」とアピールした。

Datadog Japan カントリーマネージャー 国本 明善氏

 また、Dashでは北米で550万台の車に搭載されているコネクテッドカープラットフォーム「Driverlink」を開発するToyota Connectedの事例も紹介された。少人数で開発をスタートし、その後大規模なサービスに成長して、安定稼働するまでDatadogをフル活用したところがポイントになるという。

 続いて、SEマネージャー 守屋 健一氏からDashで発表された3つの新製品が紹介された。

Datadog Japan SEマネージャー 守屋 健一氏

 まず「Cloud Cost Management」は、把握の難しいクラウドコストの管理を実現するためのツール。クラウドサービスはコスト要因が複雑に絡み合っており、複数のチームのうち、どのサービスがコスト増の要因になっているかをひもとくのは困難だ。

 その点、Cloud Cost Managementはコストの変化を自動的に特定し、既存のオブザーバビリティデータと統合することで、コストにどのように影響するかを確認できる。具体的には、使用状況レポートを取り込む際に、自動的にタグ付けを行なうことで、どのチームのサービスに起因するかを把握するという。コストが可視化されることで、エンジニアにコスト意識を持ってもらうという効果も得られる。また、特定のサービスや製品ごとのドリルダウンも可能だという。

 次に紹介した「Continuous Testing」は、ユーザーシナリオを完全にカバーするテストをWeb UIで設計できるツール。複数ブラウザによるユーザーシナリオに対応でき、ユーザー操作を記録することでコード記述なしでテストを作成できる。また、アプリのUIが変更されても自動的に追従することも可能。テスト工程をCI/CDのパイプラインにシームレスに統合できる点もメリットとなる。

テストにオブザーバビリティデータをフル活用できる

 最後の「Cloud Security Management」は国本氏が言及したDevSecOpsへの支援を実現するもの。具体的には、従来から提供しているCloud Security Posture ManagementとCloud Workload Securityのアセスメントや関連するオブザーバビリティデータをポータルに表示する。「セキュリティ側から見れば、このホストでどんなプロセス、コマンドが実行されているのか、新たにエージェントをインストールすることなく、正確に見ることができる」と守屋氏は語る。

 また、リソースカタログを使うことで、リスクの可視化も可能。発表会では、設定ミスの可視化を行なっており、マップを用いてアラートの上がっているリソースや関連するリソースをクリックしていくと、脆弱性につながる設定ミスを特定することができる。「DevOpsのチームとSecurityのチームの双方が、オブザーバビリティデータとセキュリティのシグナルを掛け合わせて、リスクに対処できるところがポイント」と守屋氏は語る。

リソースカタログでリスク状況を可視化

■関連サイト

カテゴリートップへ