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このスマホ、ホントに買い? 話題のスマホ徹底レビュー 第386回

より大画面でカメラが進化、映像にも強くなった「AQUOS sense7 plus」

2022年10月20日 12時00分更新

文● 佐野正弘 編集●ASCII

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滑らかな映像と迫力のサウンドに重点

 続いて性能面を確認すると、AQUOS sense7 Plusはチップセットにクアルコム製の「Snapdragon 695 5G」を搭載し、メモリーは6GB、ストレージは128GB。チップセットだけを見れば「AQUOS sense6s」と同じなのだが、メモリーやストレージは強化されている。

 ミドルクラスでは定番中の定番というべきチップセットを載せているだけに、ベンチマークやゲームで性能を確認しても他のSnapdragon 695搭載機種と大きな違いはないようだ。アプリの切り替わり時などに表示エフェクトが若干もたつくことがあるが、それはほかのSnapdragon 695搭載機にもよく見られること。高い画質やパフォーマンスを求めなければAAAクラスのゲームもなんとかプレイできるし、通常のスマートフォン利用で大きな不満を抱くことはないだろう。

「Geekbench 5」のCPUベンチマーク結果

「3DMark」(Wild Life Extreme)のベンチマーク結果

「PUBG MOBILE」のグラフィック設定はクオリティが「HD」、フレーム設定が「高」まで。他のSnapdragon 695 5G搭載機種と大きく変わらない

「原神」のグラフィック設定もデフォルトで「低」と、こちらもほかのSnapdragon 695 5G搭載機種と同様だ

 一方で、AQUOS senseシリーズの中でもAQUOS sense7 Plusが強くこだわっているのが映像視聴だ。滑らかな映像再生のため、AQUOS Rシリーズで採用されている秒間120回の表示に黒の画面を補完し、秒間240回の表示を実現する240Hz駆動ディスプレーを取り入れたほか、動画専用プロセッサーの搭載によって24fpsの動画を120fpsにフレーム補完する機能なども搭載している。

 また音声に関しても、左右に2つずつ大口径・大振動スピーカーユニットを搭載。左右のスピーカーで従来よりパワフルなステレオサウンドを楽しめるようになっている。スピーカーは横にした状態で左側が前面、右側が側面と完全な左右対称の配置ではないものの、手に持った時も塞ぎにくい構成で、大音量にすれば非常に迫力あるサウンドが楽しめた。

AQUOS sense7 Plusで映像視聴しているところ。フレーム補完と240Hz駆動による滑らかな映像と、左右に1つずつ搭載されたスピーカーユニットによる迫力あるサウンドは大きなメリットだ

 そして気になるバッテリーに関してだが、AQUOS sense7 Plusはサイズが大きいことを活かして、5050mAhと従来以上に大容量のバッテリーを搭載、それに加えて省電力性に優れたIGZO技術を採用することによって、一層長時間バッテリーを利用できる工夫がなされている。

 またAQUOS senseシリーズらしい安心感という側面でいうと、FeliCaに加えIPX5・IPX6・IP6Xの防水に対応、通常は対応していないお風呂での防水性能も備えるほか、米国国防総省が定めるMIL規格(MIL-STD-810G)準拠の耐衝撃性能も備えている。加えて生体認証は指紋に加え、顔認証による画面ロック解除にも対応するが、マスクをした状態でも認識できるというのは、コロナ禍以外でもマスクの利用が多い日本人にはうれしい配慮といえるだろう。

 最後にモバイル通信関連について確認すると、物理SIMとeSIMのデュアルSIMを採用しており、もちろん5Gにも対応。ただし販売がソフトバンクのみ、なおかつミドルクラスということもあって、5Gの対応バンドはSub 6のn3/n28/n77/n78、4Gの対応バンドもドコモやauのプラチナバンドをカバーしていないことから、ソフトバンク以外のSIMを利用する際は注意が必要だ。

SIMスロットは物理SIM×1で、microSDスロット(最大1TBまで)も用意。eSIMとのデュアルSIMによる利用が可能だが、他社のプラチナバンドに対応していない点に注意

【まとめ】個性をうまく打ち出したが値段も高くなった

 最近のミドルクラスの端末は、半導体不足の影響もあってかチップセットがほぼ共通しており、没個性化が進んでしまって、各社とも特徴を打ち出すのに苦労している印象を受ける。それだけにAQUOS sense7 Plusは、「AQUOS sense」シリーズが持つ使い勝手の良さや安心感といった特徴を引き継ぎながらも、ハイエンドモデルの一部性能を取り入れ、映像関連の機能充実を図ることでうまく個性を打ち出すことに成功している。

 ただそれだけに惜しいと感じてしまうのは、一括で6万9840円とミドルクラスとしては高めになってしまった価格と、販路がソフトバンクに限定されてしまっていること。とりわけ価格に関しては、AQUOS sense 6シリーズの頃から高騰化の兆しが出てきている一方、より低価格の「AQUOS wish」シリーズを投入しており、そちらとの差別化も図る必要も出てきているだけに、今後シャープがAQUOS senseシリーズをどうポジショニングしていくかが気になるところだ。

「AQUOS sense7 plus」の主なスペック
ディスプレー 6.4型有機EL(19.5:9)
240Hz駆動
画面解像度 1080×2340ドット
サイズ 約76×160×8.2mm
重量 約172g
CPU Snapdragon 695 5G
2.2GHz+1.8GHz(オクタコア)
内蔵メモリー 6GB
内蔵ストレージ 128GB
外部ストレージ microSDXC(最大1TB)
OS Android 12
無線LAN IEEE802.11ac
カメラ画素数 約5030万画素
+約800万画素(超広角)
イン:約800万画素
バッテリー容量 5050mAh
生体認証 ○(指紋、顔)
FeliCa/NFC ○/○
防水/防塵 ○/○
(IPX5,8/IP6X)
USB端子 Type-C
イヤホン端子
カラバリ ディープカッパー、シルバー、
ブラック
価格 6万9840円

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