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佐々木喜洋のポータブルオーディオトレンド 第146回

Pixel Buds Proを聴く、迫力と深みのある低域と疲れにくい装着感

2022年09月05日 20時00分更新

文● 佐々木喜洋 編集●ASCII

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 「Pixel Buds Pro」はグーグルの完全ワイヤレスイヤホンで、一昨年前に発売された「Pixel Buds」に続く製品となる。新たにアクティブ・ノイズ・キャンセリング(ANC)機能を搭載し、マルチポイント接続にも対応した。音量はスワイプ操作で調節する。価格はオープンプライスで、実売2万3800円程度だ。(機能の詳しいレビューはこちら

Pixel Buds Pro

 卵型で可愛らしいケースのデザインも特徴。ケースサイズは幅50×奥行き25×高さ63mmとコンパクトだ。小型軽量なのでポケットに入れやすい。ケースの前面にはLEDが搭載されて様々な状態を示せる。USB Type-CまたはQi規格のワイヤレス充電に対応する。

 充電ケースは白だが、イヤホン本体は水色、黒、黄色、オレンジの4色が選べる。防滴性能はケースがIPX2、本体がIPX4準拠となっている。ANC利用時で7時間の再生が可能(ANCオフならば11時間)。パッケージには3サイズのイヤーピースが同梱されている。イヤーピースの入れ物は紙製の筒となっていてあそび心が感じられる。

軽い装着感、強力なノイキャン

 まずiPhoneで試聴した。グーグル製のデバイスだが、iPhoneと組み合わせても特に問題はない。ただ、Android 6以降のスマホとペアリングする場合には「Fast Pair」機能が使え、接続設定の手間をやや省ける。また、細かな設定をしたい場合はAndroidスマホが必要となる。

 装着感はとても良好だ。耳にすっぽりと収まるデザインもいい。耳穴にあまり深く挿入せず外耳に置くのに近いので、カナル型が苦手の人にもいいと思う。ちなみに片側を抜くとそれを検知して自動的に再生が止まり、ANCも切れる。

 がっちり固定している感じではなく、落ちるのが心配なくらいだが、これは意図的なものだ。会議や仕事など長時間の使用をする際には使いやすいだろう。ただし動きの激しいジムでの使用は不安がある。また、なぜかノズル部分が太い。他社製の交換イヤーピースがはまらないのも隠れた欠点だ。イヤーピースの交換を楽しみたいユーザーには不向きだと思う。

 このように軽い装着感でも、静寂感はとても良好に感じられた。雑に耳に入れてもANCの効きはほとんど変わらない。ANCの効きだけでなく、個人の耳にあわせてアクティブに調整する「Silent Seal」機能の恩恵なのだろう。Silent Seal機能は、耳にあまり挿入しない軽い装着感を得るためにおそらく採用したのだろう。

 ANCはかなり強力で電車に乗っても、高い静粛性を維持できた。特に電車のブレーキ音など不快成分がかなり低減される。駅の構内でイヤホンを耳から外すと、こんなに音が消えていたのかと驚くほどだ。ただ、車内のアナウンスも聞こえづらくなる。ほかのANC対応イヤホン/ヘッドホンに比べて多少効きすぎの感もある。海外製なので、開発時に日本の通勤事情を考慮しきれていない面があるのかもしれない。

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