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光触媒でレジオネラ菌の殺菌と内毒素の分解に成功=東大など

2022年09月04日 17時57分更新

文● MIT Technology Review Japan

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東京大学、カルテックの研究グループは、レジオネラ症を引き起こす細菌であるレジオネラ・ニューモフィラを光触媒で殺菌することに成功。敗血症などの原因になるレジオネラ・ニューモフィラのエンドトキシン(内毒素)の分解にも成功した。

東京大学、カルテックの研究グループは、レジオネラ症を引き起こす細菌であるレジオネラ・ニューモフィラを光触媒で殺菌することに成功。敗血症などの原因になるレジオネラ・ニューモフィラのエンドトキシン(内毒素)の分解にも成功した。 研究グループは10センチメートルのシャーレに酸化チタン型光触媒を塗布したガラスを置き、リン酸緩衝液に混ぜたレジオネラ・ニューモフィラを30ミリリットル加えて撹拌しながら、光波長405ナノメートルの光を発光ダイオードで照射した。その結果、光触媒反応が発生して1時間でレジオネラ・ニューモフィラの99.9%を殺菌することに成功した。 透過型電子顕微症を使って観察することで、光触媒反応がレジオネラ・ニューモフィラの細胞膜にダメージを与え、殺菌につながったことを確認した。加えて、レジオネラ・ニューモフィラのエンドトキシンに光波長405ナノメートルの光を発光ダイオードで照射して、エンドトキシンを光触媒反応で分解できることも初めて証明した。 研究成果は8月11日、カタリスツ(Catalysts)誌に掲載された。光触媒反応は紫外線のような人体に有害な光を使わないため、人間の生活空間や水環境に適用しやすい。研究グループは、生活空間周辺の水質浄化につながるとしている。

(笹田)

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