普通のスピーカーのようなボタンやスイッチは一切無い
タッチだけですべての操作が可能
tenoは内部に2800mAhのバッテリーを内蔵し、付属のUSB Type-Cケーブルとごく一般的なUSB/ACアダプターなどから充電が可能だ。約5.5時間の充電で約8時間の音楽再生(音量50%時)ができる。そして照明機能としては連続点灯時間は4時間となっている(4段階の中で最も明るい状態の場合)。
tenoの表面には一般的なBluetoothスピーカーのようなボタンやスイッチなどの突起物や溝は皆無だ。照度や再生音楽のスキップやポーズなどのコントロール、着信電話の受話や終了、不在応答などのすべてが人の指先による本体タッチ操作で実現している。
たとえば、照度調整は開いたteno本体左右の金継ぎ部分寄り上面をタップすることで、4段階の照度を順次選択する。また再生音楽のボリュームコントロールは本体側面の曲面を2本の指で上下にスライドすることで対応する。
内蔵バッテリーの容量はtenoをパーソナルに家やキャンプ先など、色々な場所で楽しむには十分だ。もしオフィスやショップ、レストランでtenoをおしゃれな照明器具兼BGMのプレイバックデバイスとして長時間連続で使う予定なら、常時USB/ACアダプターに接続したままバッテリー残量を気にすることなく楽しむことができる。
tenoの底面は左右に開く本体外殻の厚みと本物の陶磁器のお椀の底には必ずある「糸尻」の2つがテーブルなどの接地面との間に十分な隙間空間を確保してくれる。その空間を利用すれば付属のUSB Type-Cケーブルを利用することでケーブル接続もオシャレで余裕がある。これで充電のことは忘れられる。
残念ながらtenoのスピーカー部分は、有線のオーディオ端子接続やUSB接続はサポートされていない。Bluetooth接続のみだ。もちろんBlutoothの設定は極めてやさしい。まず、tero本体の外殻を左右に完全に開く。スマホなら設定画面で「新しいデバイスとペア設定」を選択、画面に表示された「teno」をタップして選択するだけだ。鳥のさえずりが聞こえれば接続が完了する。
スマホやパソコンなどteroに接続できるデバイスは最大2台まで。今回筆者はグーグル「Pixel 6 Pro」と「ThinkPad X1 nano」の2台を接続した。tenoのバッテリー残量(%)は設定画面のデバイスの項目で見ることができる。またteno単体でもバッテリーの残量不足を感知すれば自ら「水滴」の音をスピーカーから発して知らせてくれる。
Lumiosfと今回のtenoの2台を並べてみるとその違いと同時にコンセプトの共通性や継承性がよくわかる。いずれもできうる限りナチュラルをベースとした素材、デザインであること。そして操作スイッチ系のハードウェアを限りなく排除した、シンプルなユーザーインターフェース設計だ。
Lumiosfはシンプルな本型のLED照明。本を開く角度や設置方法を変えることで様々な異なるたたずまいを表現してくれる、他とはちょっと違うパーソナルなライティングスタイルを実現できるデバイスだ。
対してtenoは、工芸品的な外観と個性的なテクスチャーを持つLED照明とBluetoothスピーカーのハイブリッド商品。しかし従来とはまったく異なるライティングスタイル、サウンド、オペレーションが特徴だ。
指先や手のひらで独特のテクスチャーに触れ、陶磁器のようなお椀に似た外殻を左右に引き離す、柔らかい光が漏れ、そしてチャイムの起動音とBluetooth接続音の鳥のさえずりを聴く。tenoは人間の五感に訴えるプロダクトだ。一方、tenoはただ置いておくだけで先端テクノロジーをすべて内部に隠蔽し静かな佇まいを魅せてくれる長寿命を約束された超個性的なオブジェでもある。
今回の衝動買い
・アイテム:teno
・購入:アークトレーディング(https://www.arktrading.jp/lumio-teno)
・価格:6万8200円
T教授
日本IBM社でThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。
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