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このスマホ、ホントに買い? 話題のスマホ徹底レビュー 第348回

量販店で単体購入可、5G・FeliCa・防水対応で高コスパのシャオミ「Redmi Note 10T」

2022年05月11日 12時00分更新

文● 佐野正弘 編集●ASCII

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クアルコム製チップセットへの変更は通信性能重視か

 では、ベースの性能はどうだろうか。チップセットにはRedmi Note 10 JEと同じくクアルコムの「Snapdragon 480 5G」を搭載しており、メモリーは4GB、ストレージは64GB。Redmi Note 9Tと比べた場合、チップセットがMediaTek製(Dimensity 800U)からクアルコム製に変更されたのが大きな違いとなるが、性能的には同等のクラスで、国内の5G対応ミドルクラスではやや低めの性能ということになる。

 とはいえ、4Gのミドルクラス向けチップセットよりは性能が高いので、日常操作で大きな不満は出ないレベルの性能は備わっていると考えていいだろう。ただしAAAクラスのゲームをプレイすると不満が出てくるのは確かで、そうした意味でも動画など、あまり高い性能を要求しないコンテンツを楽しむのに適したモデルといえるだろう。

「PUBG MOBILE」のグラフィック設定は「HD」「高」までと、同じチップセットを搭載したRedmi Note 10 JEと同じ結果に

「原神」の画面設定はデフォルトで「低」だが、プレイしてみると処理落ちが目立つというのはやはりRedmi Note 10 JEと同じだ

 ちなみにチップセット変更がなされたのは、通信面の影響が大きいのではないかと考えられる。日本ではクアルコム製モデムを搭載したスマートフォンが多く、携帯電話会社のネットワークもそれに合わせて通信しやすいようチューニングがなされていることから、日本専用モデルのRedmi Note 10 JEではあえてチップセットをクアルコム製にしたという経緯がある。

 しかも、Redmi Note 10Tはソフトバンクだけでなく量販店などでも販売されるため、利用されるネットワークも多岐にわたることが想定される。今回お借りした短い期間でネットワークの相性まで見極めるのはさすがに難しいが、クアルコム製チップセットの搭載は通信の安定という意味でもメリットに働くだろう。

 その通信機能に関しては従来機種と比べ大きな変化も見られ、新たにeSIMに対応したことから物理SIM(nanoSIM)とのデュアルSIM構成による利用が可能となっている。eSIMであれば携帯電話会社と契約してすぐ通信を利用できるなどのメリットがあるので、ぜひ有効活用したい。

 なお対応周波数を確認すると、4Gは1.7GHz帯(バンド3)のほか、各社の主要プラチナバンド(バンド8/18/19)に対応しているので、昨今注目されている“バンド問題”を意識する必要はないだろう。ただし5Gの対応バンドはn3/n28/n77/n78に限られ、ドコモの4.5GHz帯(バンドn79)に非対応な点には注意が必要だ。

eSIMを搭載しているのでSIMスロットは1つ。もう1つはmicroSDスロットで、1TBまでの容量を追加できる

【まとめ】買いやすくなったがコスパが落ちた部分も

 それ以外の性能を確認すると、バッテリー容量は5000mAhと最近のスマートフォンでは大容量の部類に入るので安心感は高い。急速充電は18Wまでの対応で、なおかつACアダプターも別売りというのはコスト削減の影響と見られるが、18Wクラスの急速充電対応ACアダプターはかなり安くなっているので同時に購入するというのもアリだろう。

 そしてもう1つ、やはりFeliCaとIP68の防水性能を備えている点は、日本で安心して利用できるという意味で大きな要素となる。これはすでにRedmi Note 10 JEで実現しているものではあるのだが、シャオミの日本市場に対する力の入れ具合を見る上でも重要なポイントといえよう。

 ちなみにRedmi Note 9Tでは、NFCのセキュアエレメントが自動的に切り替わらず、FeliCa決済とNFC決済とで設定を手動で切り替えなければいけない問題があることが指摘されていた。それゆえかRedmi Note 10Tでは、この問題解消のため「セキュアエレメントの位置」の設定に「自動選択」が用意され、自動で切り替え可能になったようだ。

Redmi Note 9Tなどで指摘がなされていたNFCのセキュアエレメント切り替えができない点だが、Redmi Note 10Tでは「自動選択」が用意されている

 改めてRedmi Note 10Tについて振り返ると、必要十分な性能を備えながら2万円台後半~3万円台前半という高いコストパフォーマンスを実現している点は大きなメリットといえる。従来キャリアからしか購入できなかった5G・FeliCa対応のRedmi Noteを、MVNOや量販店などからより手軽に購入できるようになった意味合いは大きいだろう。

 ただその分、キャリア専売で戦略的な価格設定がなされていたRedmi Note 9TやRedmi Note 10 JEと比べると、カメラの数が減っている割に販路によっては3万円を超えてしまうなど、コストパフォーマンスが落ちている部分があるのは惜しい。とりわけUQ mobileを使っている人などは、性能的にも違いが少ないRedmi Note 10 JEとの選択に悩むこととなりそうだ。

シャオミ「Redmi Note 10T」(SIMフリー版)の主なスペック
ディスプレー 6.5型液晶(20:9)90Hz対応
画面解像度 1080×2400
サイズ 約76×163×9mm
重量 約198g
CPU Snapdragon 480 5G
2GHz+1.8GHz(オクタコア)
内蔵メモリー 4GB
内蔵ストレージ 64GB
外部ストレージ microSDXC(最大1TB)
OS Android 11(MIUI 13)
対応バンド 5G NR:n3/28/77/78
LTE:1/2/3/4/8/12/17/18
/19/26/28/38/39/40/41/42
W-CDMA:1/2/4/5/6/8
4バンドGSM
無線LAN IEEE802.11ac
カメラ画素数 約5000万画素+約200万画素(深度)
イン:約800万画素
バッテリー容量 5000mAh(18W急速充電対応)
生体認証 ○(側面指紋、顔)
FeliCa/NFC ○/○
防水/防塵 ○/○(IP68)
USB端子 Type-C
イヤホン端子
カラバリ(SIMフリー版) ナイトタイムブルー、アジュールブラック、レイクブルー
価格(SIMフリー版) 3万4800円
 

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