このページの本文へ

東大、ディープフェイク動画の検出AIで世界最高性能を達成

2022年04月27日 06時43分更新

文● MIT Technology Review Japan

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

東京大学の研究チームは、人工知能(AI)を用いて作成された巧妙なディープフェイク動画の真贋を、世界最高性能で判定できる技術の実現に成功した。AIのディープラーニング(深層学習)技術を使って作られるディープフェイク動画は、政治家など著名人の偽動画生成にも悪用されており、大きな社会問題となっている。

東京大学の研究チームは、人工知能(AI)を用いて作成された巧妙なディープフェイク動画の真贋を、世界最高性能で判定できる技術の実現に成功した。AIのディープラーニング(深層学習)技術を使って作られるディープフェイク動画は、政治家など著名人の偽動画生成にも悪用されており、大きな社会問題となっている。 研究チームは今回、AIによる検出が難しい疑似フェイク画像を生成する新しい方法「SBIs(Self-Blended Images)」を提案。SBIsで生成した画像を用いて、ディープフェイク検出AIを訓練することで、実際のフェイク画像に対しても高い汎用性と頑健性で真贋を判定できるようにした。5種類の評価用データセットで既存の手法と比較評価したところ、今回の手法は4種類で世界最高性能を達成した。 SBIsでは、1枚の人物画像の色や周波数成分、画像サイズをわずかに変更した2枚の画像をブレンドすることによって疑似フェイク画像を作成する。そのため、既存の疑似フェイク画像に比べて画像内の不整合が非常に少なく、AIによる検出が難しくなる。SBIsを用いて訓練されたAIは、実際のフェイク画像に対しても、わずかな不整合があるだけでフェイクだと判定することが可能になるという。 今回の研究成果は、2022年6月19日から米国で開催される「コンピュータービジョンとパターン認識に関する会議(Conference on Computer Vision and Pattern Recognition:CVPR)」で発表される。

(中條)

カテゴリートップへ

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ