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医薬品製造に関わる酵素を機械学習で発見=神戸大など

2022年03月27日 09時50分更新

文● MIT Technology Review Japan

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神戸大学などの研究グループは、微生物を利用した医薬品製造において、未知の酵素を機械学習を使って発見することに成功した。医薬品に限らず、機能性素材や汎用化学品などにも応用可能な手法だという。

神戸大学などの研究グループは、微生物を利用した医薬品製造において、未知の酵素を機械学習を使って発見することに成功した。医薬品に限らず、機能性素材や汎用化学品などにも応用可能な手法だという。 医薬品の多くは植物から抽出した化合物で作られているが、近年は植物由来の遺伝子を微生物に実装し、本来は微生物が作らない医薬品を製造する手法(合成生物学的アプローチ)が有望視されている。ただし、微生物で医薬品を生産するには多数の酵素反応の連鎖による長い代謝経路を構築する必要があり、しばしば植物由来の酵素が未知のものであるという課題があった。 今回の研究では、酵素反応を予測する機械学習アルゴリズムを開発し、予測モデルを利用することで、オピオイド鎮痛薬の前駆体化学物質であるベンジルイソキノリンアルカロイド(BIA)の生成に必要な酵素を発見した。微生物を使ったBIAの生産にも成功しており、今後は大量生産を目指す。研究成果は3月16日、「ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)」誌に掲載された。

(笹田)

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