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層状二酸化マンガンを蓄熱材料に利用=東北大など

2022年03月22日 05時55分更新

文● MIT Technology Review Japan

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東北大学などの研究グループは、層状構造でカリウムを含有する二酸化マンガンが、繰り返し使える低級廃熱(120〜150℃)用蓄熱材料として利用できることを発見した。二酸化マンガンは電池の正極材として知られているが、蓄熱材料としての活用は珍しい。

東北大学などの研究グループは、層状構造でカリウムを含有する二酸化マンガンが、繰り返し使える低級廃熱(120〜150℃)用蓄熱材料として利用できることを発見した。二酸化マンガンは電池の正極材として知られているが、蓄熱材料としての活用は珍しい。 研究グループは、二酸化マンガンの結晶構造が異なる各種の相を広範に調査した。この結果、δ(デルタ)型と呼ばれる層状二酸化マンガンにおいて、層間に大気中の水分子が出入り(インターカレーション)することによって吸放熱する仕組みを発見した。この吸熱反応は、 120〜150℃の低温度の蓄熱に利用可能で、エネルギー密度、可逆性および反応速度などの面で優れているという。蓄熱した層状二酸化マンガンの熱は、室温付近でも空気中の湿気を自然に吸収させることで容易に利用できるため、昼間の太陽熱を利用した夜間暖房、工場の廃熱の回収、熱電発電など幅広い応用が期待できるとしている。 研究成果は3月17日、「ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)」誌にオンライン掲載された。

(笹田)

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