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人工透析の回避にアルドステロン拮抗薬、大阪大学が追跡研究

2022年02月27日 06時59分更新

文● hitoshi_sasada

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大阪大学の研究グループは、慢性腎臓病(CKD)患者に対してアルドステロン拮抗薬を投与することで、末期腎不全への病状進行とそれに伴う人工透析導入や腎臓移植(腎代替療法)を回避できる可能性があることを明らかにした。アルドステロン拮抗薬の腎臓保護作用は動物実験で確認されていたが、実臨床データに基づく知見が得られたのは初めて。

大阪大学の研究グループは、慢性腎臓病(CKD)患者に対してアルドステロン拮抗薬を投与することで、末期腎不全への病状進行とそれに伴う人工透析導入や腎臓移植(腎代替療法)を回避できる可能性があることを明らかにした。アルドステロン拮抗薬の腎臓保護作用は動物実験で確認されていたが、実臨床データに基づく知見が得られたのは初めて。 研究グループは、大阪大学医学部附属病院に通院した約3200名のCKD患者のデータを追跡研究し、アルドステロン拮抗薬の投与と、将来の腎代替療法導入リスクとの関連を検討。その結果、アルドステロン拮抗薬の投与と、腎代替療法導入リスクに強い関連があることが示された。さらに、糖尿病患者だけでなく、非糖尿病患者や、腎不全が進行した患者など、多様なCKD患者に当てはまることも分かった。 これらの結果は、長い歴史を持つ利尿薬であるアルドステロン拮抗薬が、末期腎不全を回避する上で新たな治療戦略の1つとなることを期待させるものだ。研究成果は1月14日、ハイパーテンション(Hypertension)誌にオンライン掲載された。

(笹田)

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