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地殻変動の観測にソフトバンクのGNSS網活用、東北大ら実証

2022年02月11日 06時59分更新

文● MIT Technology Review Japan

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東北大学と北海道大学の研究チームは、ソフトバンクが全国3300点以上に設置するGNSS(衛星測位システム)の観測地点網を使って、地殻変動の様子を十分な精度で把握できることを実証した。地殻変動の観測など地球科学分野では国土地理院のGNSS観測地点(全国1300カ所以上)を使うのが一般的で、民間事業者の観測地点を使うのは珍しい。

東北大学と北海道大学の研究チームは、ソフトバンクが全国3300点以上に設置するGNSS(衛星測位システム)の観測地点網を使って、地殻変動の様子を十分な精度で把握できることを実証した。地殻変動の観測など地球科学分野では国土地理院のGNSS観測地点(全国1300カ所以上)を使うのが一般的で、民間事業者の観測地点を使うのは珍しい。 研究では、ソフトバンクのGNSS観測地点の観測データを解析し、国土地理院のGNSS観測地点の観測結果と比較した。比較には2種類のデータを使用した。1つ目は2020年9月から2021年3月にかけての観測データで、長期的な変動を見るためのもの。2つ目は2021年2月13日の福島県沖地震(M7.3)発生時のデータで、地震に伴う短期的な地殻変動を見るためのものだ。 比較の結果、ソフトバンクと国土地理院のGNSS観測地点がそれぞれ出力したデータは、ほぼ同じように変動していることが分かった。今後、大きな地震の震源像の把握や、内陸活断層における地震発生の長期評価などに民間のGNSS観測地点網も活用できることになる。研究成果は2022年2月9日、学術誌「アース・プラネッツ・アンド・スペース (Earth, Planets and Space)」誌にオンライン掲載された。

(笹田)

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