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Xperia温故知新! 波瀾万丈な歴史を紐解く 第92回

今でも現役で使えるスペック&持ちやすさが魅力の「Xperia 5 II」

2022年02月09日 10時00分更新

文● 君国泰将 編集● ASCII

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 今回は2020年第3四半期に、国内の主要キャリアから発売された「Xperia 5 II」を紹介します。Xperia初の次世代高速通信5G対応スマホ(Android 11)として登場しました。

 基本はXperia 1 IIを踏襲しながらもよりコンパクト、かつリフレッシュレート120Hz駆動ディスプレーを新たに搭載したことで、よりなめらかなスクロールが可能になり、フレーム間の残像を低減してくっきりとクリアに描写できるという新要素が加わりました。

 アスペクト比21:9の約6.1型(2520×1080ドット)のHDR対応有機ELディスプレーはそのままに、10bitカラー相当の高い階調表現を実現した高画質ディスプレー技術により、新たなコンテンツ体験を実現するCinemaWide(シネマワイド)を採用しました。HDRに加えて、ソニーのテレビ「BRAVIA」の高画質化技術「X1 for mobile」によりSDR映像コンテンツをHDR相当の画質で美しく表示することを可能にした「HDRリマスター」を新たに搭載して、一般的な映像でも高精細に表現できるというのがソニーらしい部分です。

 本体サイズは、約68×158×8mm。重さは163g。バッテリー容量は4000mAhと前モデルから引き続き大容量でしたが、「Xperia 1 II」にあるワイヤレス充電は省かれていました。カラーバリエーションはブラック、グレー、ブルー、ピンクの4色展開ですが、ドコモオンラインストア限定で、Xperiaの超ド定番とも言えるパープルが発売されました。

 カメラは3つの約1200万画素のイメージセンサーに、16mm F値:2.2の超広角、24mm F値:1.7の標準、70mm F値:2.4の望遠。フロントカメラは、F2.0の800万画素センサーと前モデルと変わりません。このようにカメラ構成は「Xperia 1 II」と同等ながら、3D ToFセンサーは備わっていませんでした。

 静止画撮影用のアプリ「Photography Pro」は、マニュアル露出やシャッタースピード優先といった撮影モードダイヤルや、シャッタースピード、ISO感度、ホワイトバランスなどマニュアル設定などを変更して、自分の意図した通りの写真表現を楽しめるカメラ好きを意識したアプリになっています。また、21:9アスペクト比で映画のような動画撮影ができる「Cinematography Pro」アプリは、当時世界初の4K HDR 120コマ/秒のスローモーション撮影を実現しています。

 やはり大きな特徴となったのは、リフレッシュレート120Hz駆動と、ゲームプレイのためにチューニングされた240Hzの残像低減技術。動きの速いゲームコンテンツもくっきりなめらかに映し出して、没入感あるゲーム体験が可能になりました。「Xperia 5」と比べると、最大4倍にもなる240Hzのタッチスキャンレートを実現し、タッチレスポンス速度も約35%向上。

 俊敏な操作が必要なゲームでも指の動きを素早く正確に読み取って、意図したとおりの操作ができるといった要素はスマホゲーマーにとってはとても重要な性能のひとつです。

 加えてゲーミング機能の「ゲームエンハンサー」では、パフォーマンス優先/バランス/省電力優先/カスタムの切り替えや、「画面リフレッシュレート」を最大240Hzまで高めたり、「タッチ反応速度」や「タッチ追従性」の感度を自分好みに調整できるといったマニアックな機能を搭載。ゲームに不要な機能を無効化して誤動作などを防ぐ「コンペティションセット」や、ゲームプレイ時の端末高温化によるパフォーマンスの低下やバッテリーの劣化を抑える「HSパワーコントロール」といった、プロゲーマーと共同で開発した便利な機能がいくつも用意されていました。

 今までは、年の前半と後半に2度の新モデルの発表をしていましたが、Xperia 1シリーズ以降は、前半にフラグシップモデル、後半にコンパクトフラグシップを登場させるという流れが定着するようになりました。

 メーカーの意図するターゲット層として女性向けに発売したコンパクトモデルが、結果として重度のガジェッターたちのサブ機として広く受け入れられたこともあり、日本国内ではXperiaの小型モデルは昔から一定の需要がありました。しかし、小さいがゆえに解像度やスペックの低さといった妥協点があったことも事実。

 約6.1型という画面サイズが小さいのか? と言うとひと悶着起きそうですが、21:9という比率により持ちやすくポケットにも入りやすいサイズ感も含めて、今の巨大スマホラインナップからすれば十分にコンパクトでしょう。その点からすると、Xperia 5 IIの性能はフラッグシップ級であり、筆者としては所有することに躊躇はありませんでした。最大の不満点といえば、キャリアモデルの商品投入から、SIMフリーモデルが発売されるまでに長い日数を要したことです。2020年11月にドコモ、au、ソフトバンクより発売されて、それから半年以上も経過した翌年の2021年5月にようやくSIMフリーモデルが発売されたのです。

 国内バンドに広く対応して、余計なアプリの入らないプレーンなモデルを好むユーザーも数多く、できるならiPhoneと同じようにタイムラグはゼロとは言わないまでも、もっと短くしてほしいと常々願っています。発売から1年が経過して、最新モデルではなくとも、Xperia 10 IIIよりもパフォーマンスやカメラ性能などあらゆる面で上回っていることもあり、現時点でも魅力十分なモデルだと思います。

ドコモ「Xperia 5 II SO-52A」の主なスペック
メーカー ソニー
ディスプレー 約6.1型有機EL(21:9)
画面解像度 1080×2520
サイズ 約68×約158×約8.0mm
重量 約163g
CPU Snapdragon 865
2.8GHz+1.8GHz
(オクタコア)
内蔵メモリー 8GB
内蔵ストレージ 128GB
外部ストレージ microSDXC(最大1TB)
OS Android 10
5G最大通信速度 下り4.2Gbps/上り218Mbps
5G対応周波数 サブ6(キャリアアグリゲーション対応)
無線LAN Wi-Fi 6
カメラ アウト:約1220万画素(標準、F値1.7)
+約1220万画素(超広角、F値2.2)
+約1200万画素(光学3倍、F値2.4)
/イン:約800万画素
バッテリー容量 4000mAh
電池持ち時間 5G:約120時間/4G:約135時間
FeliCa/NFC ○/○
防水/防塵 ○/○(IPX5,8/IP6X)
生体認証 ○(指紋)
イヤホン端子
USB端子 Type-C
カラバリ ブラック、グレー、ブルー、ピンク、パープル

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