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年末恒例!今年のドメイン名ニュース 第13回

毎年恒例JPRSのドメイン名重要ニュースを振り返る

DNSの設定ミスで大規模障害、会合のオンライン化など2021年の「ドメイン名ニュース」

2021年12月28日 07時00分更新

文● 渡瀬圭一 編集●大谷イビサ

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4位:アジア太平洋地域におけるMルートサーバーの拠点追加

 4位は、WIDEプロジェクトとJPRSが管理・運用するMルートサーバーの拠点が増えたという話題である。これまでの5都市9拠点(東京・大阪(日本)、ソウル(韓国)、パリ(フランス)、サンフランシスコ(米国))に加えて、新たにブリスベン(オーストラリア)とハノイ(ベトナム)に拠点を追加したということである。これにより、当該地域のISPや利用者にとって、DNSの到達性、障害回復力、応答時間が改善されることが期待される。

 拠点の追加にはIP Anycast技術が使われており、問い合わせは最寄りの拠点で処理される。そのため、インターネット接続の主要拠点や、多様なIPトランジットを提供する拠点、キャリア中立なIXP(インターネット相互接続点)近辺にDNSサーバーがあるとDNSパフォーマンスが向上する。一般に、目立つ機会が少ないルートサーバーだが、DNSにおける名前解決の起点として、その重要性はとても大きいのである。

5位:JP DNSサーバー初の「ローカルノード」導入

 5位は、JPRSと北海道総合通信網株式会社(HOTnet)、株式会社QTnet(QTnet)が導入したローカルノードについての話題である。

 DNSにおける名前解決の際、あるゾーンの権威DNSサーバーへの到達生が失われてしまうと、そこから先の名前解決ができなくなってしまう。大規模災害やサイバー攻撃の際、たとえ、ユーザーが存在する地域に被害が無くても、DNSによる名前解決ができなければ希望するドメイン名へのアクセスができないということにもなりかねない。

 そこで、IP Anycast技術を用いてサーバーが存在するノードをローカルノードに設定し、DNSの名前解決をそのサーバーに誘導するようにする。今回の導入事例は、JP DNSサーバーのうち「g.dns.jp」にIP Anycast技術を導入し、HOTnetとQTnetのネットワーク内にg.dns.jpのローカルノードを設置したものである。サービスの形としては、図1で示した概要図のようになる。

ローカルノードの設置有無によるJP DNSサーバーへのアクセスイメージの違い(JPRS提供)

 JP DNSにおけるローカルノードの設置は、実証実験により、DNSサービスの品質とサービス継続性の向上に有効であることを検証した上で実施したということである。ローカルノードではサービスの提供範囲が設置したネットワークのみに限定されることから、大きな恩恵を受けられるのはHOTnetとQTnetのユーザーということになるが、インターネットを安定運用するための選択肢が増えるのはありがたい。

番外編:JPRSがccTLDを楽しく学べるポスターを全国の教育機関へ無償配布

 番外編は、ccTLDを一覧にしたポスター「旅するドメイン」を、全国の中学校・高等学校・高等専門学校など教育機関を対象に無償で配布するというものである。

 トップレベルドメイン(TLD)には、大きく、国や地域に割り当てられるccTLDと、国や地域によらないgTLDがある。gTLDには使い方がイメージしやすい文字列が使われるが、ccTLDは2文字のTLDというだけで、その2文字が実際にどの国や地域に割り当てられているか、意外と知らないのではないだろうか。

 紙媒体としての無償配布は前述のように教育機関のみだが、誰でもPDF版をダウンロードでき、類似の体験を提供してくれる世界ドメイン名紀行[*7]はWeb上で動作する。この機会に、楽しんでみてはいかがだろうか。

[*7] 世界ドメイン名紀行
https://sekai-domain.jp/

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