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年末恒例!今年のドメイン名ニュース ― 第7回

IANA監督権限移管は議論まとまらず延期へ

新gTLDが800種類以上に!2015年「ドメイン名ニュース」

2015年12月24日 06時00分更新

文● 渡瀬圭一

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 2015年12月17日、JPドメイン名を管理運用する「日本レジストリサービス(JPRS)」が、恒例となっている2015年度版の「ドメイン名重要ニュース」を発表した。JPRSのドメインネームニュース担当者が選んだ今年の話題とは?

1位 新gTLDが続々登場、800種類以上に

 今年1位となった話題は、gTLDが大きく増えたということである。インターネットのgTLDは、2012年に実施された第3回の新gTLD募集によって、それまでの慎重に増やす方向から大幅に増やす方向に舵が切られた。この募集は2012年1月から4月にかけて実施され、審査などを経て契約が進められたあと、2015年12月11日時点で838の新gTLDが委任されている。この数字は最新のものが以下のページで確認できるので、興味のある方は適宜閲覧してみると良いだろう。

 さて、委任が完了した新gTLDの中には登録の受け付けを開始しているところもあり、すでに利用が始まっているところも出始めている。

 しかしながら、その普及は発展途上だと言えるだろう。先月秋葉原で行われた「Internet Week 2015」のプログラム、「DNS DAY」の中で発表されたキャッシュDNSサーバーに対するDNS問い合わせ(クエリー)の統計では、新gTLDに対するものは総クエリーの約0.03%程度であったことが報告されている。

 一方で、.com、.jp、.net、.orgに対するクエリーを合計すると全体の95%ほどあり、現時点では認知度と実績がある既存のTLDが圧倒的に強いという結果が見て取れる(こうした資料は、一定期間が経過したあとにJPNICのサイトで公開されることになっている)。

 利用者の立場で見ると新gTLDの大幅増加で利用可能なドメイン名の選択肢が増えたことになるが、ビジネスという面で見ると数年後には淘汰が始まる可能性もあるという点には注意が必要だ。新しく生まれたgTLDの本当の価値は、何年にも渡って継続し、安定したサービスを提供できてはじめて生まれると考えたほうが良いだろう。

2位 インターネット管理・運用の議論とIANA監督権限移管の延期

 2位の話題は、「IANA監督権限移管(IANA transition)」に対する検討が遅れているというものである。インターネットにとって重要なドメイン名やIPアドレスといった資源およびDNSの安定運用に向けた管理・調整という、いわゆるIANA機能(IANA functions)の監督権限を、それまでの米国商務省電気通信情報局(NTIA)からグローバルなマルチステークホルダーのコミュニティへの移管計画策定と移管後の受け入れ体制作りが、当初の予定通りに進まなかったということを説明したものだ。

 遅れを起こした一番の原因は、検討を依頼された3つのグループ(ドメイン名のコミュニティ、IPアドレスなどの番号資源のコミュニティ、プロトコルパラメーターのコミュニティ)のうち、ドメイン名のコミュニティの進捗が大幅に遅れたことにある。

 その理由として、直接IANA機能に関係のない要素を検討に加えたり、他のグループがやることになっている課題を検討したりといった具合に議論の方向性がまとまらなかったことなどが挙げられる。多様性のある利害関係者が集まる場では、調整の難しさがあったのだろう。

 こうした状況を受け、NTIAがIANA契約の更新を1年延長することを決定し、2016年9月を目標とした新しいスケジュールが提案されている。インターネットガバナンスへの参加はいろいろな形があるので、この方面に興味のある方は「日本インターネットガバナンス会議(IGCJ)」などのサイトを見ていただきたい。

(→次ページ、3位 DNSの信頼性確保へ

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