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認知症や介護による資産継承・生活資金確保等の社会課題の解消を支援

家族信託サービス「ファミトラ」の提供開始

2021年08月12日 10時00分更新

文● 久我 吉史(ASCII FinTech記者)

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 大丸松坂屋カードを発行するJFRカードと家族信託サービス「ファミトラ」を展開するファミトラは8月5日、業務提携契約を締結。JFRカードの顧客に対して、家族信託サービス「ファミトラ」の提供を開始した。

  家族信託とは、自分が認知症になるなどで判断能力が不足したときなどのために、家族に自分の財産管理の権限を与えておく金融サービス。2018年に第一生命経済研究所が発表した調査結果によれば、高齢化が進む日本では2030年には家計全体の10%を認知症患者が保有しているという。認知症になって判断能力が不足すると、本人の金融資産処分の意思が不明確となり、株を売ったり自宅を売ったりといったことが難しくなる。家族信託の手続きをしておけば、家族が代わりに、これらの手続きをできるメリットがある。

 家族信託サービス「ファミトラ」とは、家族信託の組成をサポートするサービス。専任の担当者が、弁護士や司法書士などの専門家とのやり取りの間に立ち、スムーズに手続きを進められる。

 従来、家族信託の組成費用は高額になりがちだったが、本取り組みではITによる手続き省略化によって、低価格での家族信託サービスの提供を実現。ファミトラの家族信託コーディネーターが、仕組みの説明から具体的な提案、組成手続き、契約の締結までサポートする。

需要が増える家族信託を丸ごとお任せできる安心感

 家族に資産を託すと聞けば「遺言」が思い浮かぶかもしれません。また、人生100年時代と言われるものの、最期まで健康でいられるかどうかはわかりません。

 家族信託では、本人が生きているうちに、家族に財産を託すことができます。縁起でもない話に聞こえる人もいると思いますが、認知症になってしまうと、自分の財産の売却はできなくなってしまいます。

 自分がもしものときの財産管理を柔軟にできるメリットは計りえません。しかし、家族信託の契約の仕方がよくわからず、ためたってしまう人がいます。ファミトラは、家族信託について丸ごと相談や契約をおまかせできる優位性があり、社会課題解決の期待値も高いといえます。(ASCII FinTech記者 久我 吉史)

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